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複音奏者のためのクロマチック入門(2)


東京クロマチックソサイェティ会誌第11号(2001年6月1日)に掲載された記事です。
ハーモニカマガジンVol.2(2002年6月発行)、Vol.3(2002年9月発行)にも掲載されました。


トリルで遊んでみましょう

 クロマチックと複音の大きな違い、いくつかあって、それぞれに話題を見つけられると思っていますが、まずはレバーの存在がその一つでしょう。私自身の最初の練習曲は、大学の先輩から楽譜を借りたコメディアン・ギャロップでしたが、その中に高音のレと#レを交互に吸うトリルを3小節半続ける部分があります。このようなトリルを急速に演奏するには、複音ハーモニカの場合、大変高度なテクニックといってよいでしょう。できないとはいいません、実際にやれる人達がいますから。でも、とても高度な技だと思います。ところが、クロマチックの場合はこれが実に簡単にできてしまうのです。レを吸ってレバーを動かし続ければよいのです。
 あまりに簡単なので、私は誰でも簡単にできると思い込んでいました。ところが、やったことのない人にとっては、レバーを連続的に等間隔で動かすという操作は、そうそう簡単ではないらしいのです。1年ほど前にかなりのクロマチックに慣れている奏者とコメディアンズ・ギャロップを練習したのですが、トリルにムラができてしまうのです。熟練者ですので、数回の後には完璧にこなせるようになったわけなのですが、練習曲の中に一度もトリルがでてこない場合、簡単な操作なのに簡単にできないのだと再認識しました。
 そこで、まずトリルをやってみましょう。今からやっておけば、今後曲の中で出てきてもなんなくこなせるでしょう。簡単で、楽しい練習です。
 吹く音から始めると、

ド #ド ド #ド ド #ド ド #ド|ド #ド ド #ド ド #ド ド #ド|ド #ド ド #ド ド #ド ド #ド|ド #ド ド #ド ド #ド ド #ド|

なお、ナチュラル記号は面倒なので省いていますよ。
 これをまず8分音符、つまり1小節で音が8個出る速さでゆっくり吹いてみましょう。足でリズムをとりながら練習することが大切です。1拍で音が正確に2つ出ていますか。問題なくできるようになったら、その倍のテンポにしましょう。16分音符です。1小節に音が16個出ます。足でリズムを取るときには、一拍で音が正確に4つ出ていますか。こんどはその調子を保ちながら足のリズム自体を早くしていきます。
 このように、トリルをやりながら、ちゃんと足でリズムが取れるようになるのは重要なことです。コメディアンズ・ギャロップでは早いテンポの中3小節半だけトリルしますから、ちゃんと足でリズムが取れないと、次の部分に入って行けません。ただ無闇にレバーを押しているわけではないのです。曲の早さによって違いますが、16分音符でよいとき、32部音符にしなければならないときなどありますので、臨機応変に対応してください。
 吹き音が飽きたら吸い音で試しましょう。

レ #レ レ #レ レ #レ レ #レ|レ #レ レ #レ レ #レ レ #レ|レ #レ レ #レ レ #レ レ #レ|レ #レ レ #レ レ #レ レ #レ|

ですね。他にも色々な音で試してみましょう。クロマチックの便利さを満喫してください。 
 注意として、#ド レ でやるトリルはハーモニカには辛いものがあります。やってごらんなさい。きついですね。こんなトリルはハーモニカ用の編曲には決して取り入れるべきではありません。そういう部分があれば、転調して簡単にできるようにするのがハーモニカ用の編曲です。リコーダ用のバロックなんかの楽譜集を買ってくると、このような無理筋のトリルがたくさん出てきて、どう転調しても吹けないということになります。そういう意味で、クロマチック・ハーモニカは笛、ラッパ、ギター、ピアノなどの楽器に比べて大変大きなハンディを負っているのですが、よい選曲により、無理な演奏を避けるのが正しい取り組みと言えるでしょう。(とはいいながら、私は #ド レ のトリルの練習をしたりしているのですよ。手と呼吸のよい訓練です。)

パンパカパーンで遊んでみましょう

 パンパカパーン パ パ パ パンパカパーンというフレーズがありますね。トランペット3本くらいでファンファーレのように鳴らし、颯爽と主役登場といったところです。
 これをコード・ハーモニカの人が大げさにやると大受けするわけなんですが、クロマチックでもこれが簡単にできます。簡単すぎて客受けはしませんが、遊びとして知っておくべき技です。
 ド ミ ソ の和音をCと書くことにします。また #ド #ミ #ソの和音をC# と書くことにします。Cの和音を出すには、中音のド と ミ と ソを一緒に咥えて吹けばよいのです。C#の和音を出すには、そのままレバーを押せばよいわけです。
 それで、冒頭のフレーズを吹くには

C CC C-- C# C C# C CC C--
パンパカパーン パ パ パ パンパカパーン

とハーモニカを大きく加えてレバー操作で和音を出せばよいのです。うまくイメージをつかんで吹いてみてください。こんなことも旨い下手があり、研究すると面白い効果を出すことができます。
汽笛であそびましょう

 私が高校生のころは、まだ通学に汽車に乗っていました。蒸気機関車が客車を引っ張るあの汽車です。駅近くになるとボー、ボーと汽笛を鳴らします。
 ハーモニカでは和音が出せるので、よく汽笛の真似をしているのを聞くことがあります。ブルースやカントリーでは特に10ホールズ・ダイアトニック・ハーモニカを使って汽笛の真似が演じられます。
 クロマチックでも汽笛の真似は簡単で、私が学生のころよく使いましたし、ハーモニック・オムニバスでも「花嫁」を演奏するときにやってもらいました。夜汽車にのってやって来ますからね。
 音としては、#レと#ファの3度奏法を使うとよい感じになりますが、その近くの別の音でもかまいません。ただし、吸う音の方が効果的です。
 2つの音を一緒に咥えて、レバーを押して、吸う音で

ヴァウ ヴァーウ、ヴァウ ヴァーウ
 と鳴らすと汽笛の感じになります。ヴァとウでわずかに口の形が変わりますね。その変化で音がベンドされ(曲げられ)、汽笛の感じがでるのです。これも、工夫次第で面白い効果音が作れますので、よく練習(というか研究)してみましょう。
 蒸気機関車の汽笛を聞いたことがない人は、真似しにくいかもしれませんね。それでも、映画の中では聞いたことがあるでしょう。よく研究することがよい効果音を生み出します。なお、複音でも、シングル奏法の3度奏法をやればできる技ですよ。

上達の近道

 さて、私が初めてクロマチックを手にしたときには、こんないくつかの遊びを先輩がやっているのを聞いて、一生懸命真似したものです。でも、教室で説明しても、皆さん中々研究してくれません。クロマチックに慣れ親しむには、こんな遊びに積極的に取り組んで、口の動きと音色の変化の関係をよく認識することが、特にポピュラー系のクロマチックでは大切だと思っています。案外、それが上達への近道なのかもしれません。
 さあ、手元のクロマチックでもっともっと遊んでみようではありませんか。


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