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修理研究



バルブの貼り替え
吹き吸いに応じてバルブがパタパタ音を立てることがある。カバーを外して観察してみよう。

バルブが反り返っているものが見つかります。
バルブは白いプラスチックとその上の透明、白、あるいは薄茶色のプラスチックの2重構造になっています。

そもそもの働きは吹き吸いのリードが同じ穴に収まっているので、空気漏れを起こさない弁の役割をしているのです。外側のバルブは、空気が吸われる場合に吹くときに震えるリードの部分から空気が流入しないように蓋をしているのです。内側のバルブはその逆で、空気が吹かれる場合に、吸う側のリードの部分からの空気漏れを防ぎます。

2枚の構造になっているのは、1枚だと反りすぎるのでそれを上のバネ力が強いプラスチックで押さえて吹き吸いの逆転時にすぐ元の位置に戻すようにしているためです。
通常は上の写真のように、2枚が分離していて、ドライバーなどが差し込める状態になっています。

唾液が乾くと糊の役目をするので、時には2枚のバルブがくっついてしまい、ドライバーを差し込めないような状態になってしまうことがあります。こうなると、正常な音が出ず、パタパタと戻る音がしたり、ビリ付くような音がしたりします。
軽症の場合はドライバーをうまく使えば糊分が剥がれてドライバーの先を差し込むことができるようになります。とりあえず、全部のバルブをこのように2枚のプラスチックが分離した状態にしてやります。
バルブによっては、唾液の糊分によってリード・プレートに貼り付いてしまっている場合があります。そうなるとまったく音が出ないという現象になります。その場合もドライバーの先でリード・プレートから剥がしてやります。
しかし、唾液の糊分が残っているのですから、どちらの場合も練習で湿ったりすると再び貼り付いてしまいやすい状態になっています。そのときは、バルブの交換で対処します。
まず、バルブを剥がします。剥がした後の接着剤の残りは、ドライバーの先で丁寧に取り除きます。
リード・プレートにも糊分が付いているので、バルブを貼り替える前に濡れたティッシュ・ペーパーでリード・プレートをきれいにして、しっかりと乾かします。
待ち針の先で少量の接着剤を塗ります。
バルブを貼った後、きれいな待ち針またはドライバーの先などでバルブをそっと押してみます。押し過ぎるとプラスチックがへこんだりしますので注意しましょう。ちゃんと中央に貼れていれば十分な抵抗があります。ずれていれば、バルブが穴に入り込んだりするので、中央になるように接着剤が乾かないうちにずれを直しましょう。
上の写真は外側のバルブについて説明していますが、内側のバルブの場合はリード・プレートを外して作業します。





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