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修繕日記のページ



依頼されたり、自前で故障したりして修繕した
ハーモニカの記録を残しておきましょう。
Sorry, Japanese only.


2008年


2008年12月24日(水)

CX-12 Jazz

E. O.さんの依頼。先日リード交換した10番F音の音程が狂っているとのこと。

調べてみると、リードの取り付け弱いらしい。リード交換は古いリードを外して新しいリードを取り付けるわけですが、外すときにリードを留めてあるリベットの穴が少し広がってしまいます。若干太めのリベットがあれば問題ないのですが、ないので前の穴のプレートの盛り上がりを金鎚で叩いて平らにする作業をします。こちらの作業でリベットがちゃんと打たれたと判断したのですが不十分だったようで、緩みが来たのだと思います。改めてリベットを反対側から打ちつけて、穴の中でリベットが広がるようにして再発防止をはかりました。

作業後に全体の音程を調べたところ、すぐ返還されてきてそれほど吹き込まれたと思えないのに音程の狂いがいくつか見られます。ちょうどこの日は小春日和の暖かな日で、これが調律に影響しているのかもしれません。部分調律を施した上で返却しました。

このように気温変化だけでもハーモニカの音程が狂ってしまうことがあります。削ったリードの音程は案外不安定で、翌朝には少し狂っているという経験も多々あります。できれば自分で調律できる力をつけてもらいたいと思うこの頃です。

2008年12月24日(水)

CBH 1012
E. O.さんの依頼。洗浄とオーバーホールの希望。

前回、古い280の洗浄を依頼された時は、バルブをすべて外してリード・プレートを洗浄液に浸け、一日置いて水洗いした後に乾かしてバルブを貼り直すという作業を行いました。

今回は新たな試みとして、バルブを外さずにリード・プレートを洗浄液に浸けてみました。結果は概ねGood!一枚のバルブが剥がれてしまいましたが、それは貼り直せばよいこと。

全音調律作業に入りましたが結構いくつか狂いがきていました。上げ身は問題ありませんでした。

組み立てると、この機種独特のスライドの動き、改めていいですね。

2008年12月16日(火)

使い古した280

これも長い間使っていたものです。調律作業に入ってみると、5番D音がもう削りすぎの状態で、元の音程に戻ってくれません。リード交換することにしました。

だめなリードを外す作業は今までどおりでしたが、リベットの穴が広がっていて、純正品のリベットでは留めることができません。仕方なく1.2mmの太さの真鍮製の釘を切って、リベットとして使いました。

交換した後に調律をしましたが、ほぼ全面的な調律作業が必要で、疲れました。でもちゃんと復活。まだまだ使えるようです。

2008年12月16日(火)

CX-12 Key B

E. O.さんの依頼。

上げ身調整と調律。Keyは違っていますが、チューナーで確認するのに特別変わるところはなく、作業を終えました。

作業的にはカバーを外して音出しをしますが、その時の吹き心地と、カバーを付けてからの吹き心地を比べると、付けた方が若干の息漏れ感があります。構造上、仕方のないことですね。

2008年12月16日(火)

Super 64

自分が使っていたものを柏教室で使うのですが、上げ身不足を感じます。これでずいぶん本番をこなしてきたのに、あの頃と今では吹き方が変わって、上げ身が不十分に感じられます。調整を終えると、やはりより柔らかいハーモニカになったなあと実感します。

2008年12月16日(火)

CX-12

E. O.さんの依頼。
こちらも上げ身調整と調律依頼です。自分で試みたけど断念とありました。
上げ身調整だけなら話は簡単ですが、調整すると必ず音程が下がるという副作用が出ますので、調律もしなければなりません。結構な作業量となりますが、根気さえあればやり遂げられます。

2008年12月8日(月)

CX-12 Gold

Y.T.さんの依頼。

大分前のものなのか、プラスチック・ボディがかなり腐食しています。少し磨きをかけましたが、中に食い込むように小さな穴がたくさんできていて、それ以上きれいにはなりませんでした。

もっとも、問題は5番のD音のリードが鳴らないのと、かなり色々音程が狂っていることです。リード・プレート自体はきれいです。リード交換した後、上げ身調整をして、全音調律しました。口が当たる部分は比較的腐食していないので、まだまだ使えると思います。

2008年12月8日(月)

270

Y.T.さんの依頼。

バネが折れていました。分解してばね交換。多少上げ身調整をして吹きやすくなりました。

2008年12月8日(月)

木製ボディの280

E.O.さんの依頼。

最低音のE#音の音程が正しくないとのこと。

前回修理したときの調律漏れのようです。内部のリードなので分解したところ、バルブが1枚はがれましたので貼り直しました。目的のリードを調律して、再組立てで作業終了。

2008年12月8日(月)

CX-12 Jazz

E.O.さんの依頼。

6番F音の音程が下がったので自分で調整しようとしたところ、失敗とのことでした。

これもリードを補正しても直る見込みがなさそうなので、リード交換しました。このあたりの音域では従来からあるリードが使えます。他に若干部分調律して作業終了。

2008年12月8日(月)

CX-12 Jazz

E.O.さんの依頼。

10番F音の音程が下がったので、自分で調整しようとしたところ、失敗とのこと。

リードを削りすぎてペラペラの状態になっていました。リード交換しようとしたところ、新しいリード・プレートではリードの幅が狭くなっているので、手持ちのリードは使えず。ちょうど270 Deluxe用のリードを注文していたのが届いていたので試してみたところ、ピッタリ。それを使って交換し、その他にいくつか部分調律を施して作業終了。

2008年12月8日(月)

CX-12 Black

E.O.さんの依頼。

2番E音の音量が出ないので自分で調整したところ、リードを痛めたとのこと。

リードが駄目になっていたので、交換しました。また、内側のバルブが剥がれて壁に貼り付いていました。音量が出ない原因はこれでした。バルブを貼り直して元通りになりました。

上げ身調整と全音調律を施して作業終了。

2008年12月8日(月)

260

E.O.さんの依頼
マウスピースを留めるネジが効かなくなったのと、ハーフ・バルブにしたのを元どおりにしてほしいとのこと。

ネジ穴に木工用ボンドを塗って1日放置し固まったところでネジ留めし直したところ、OK.

ハーフ・バルブは音がスカスカになってよろしくなかったようです。取り去ってあるバルブを貼ったところ、元々鳴りのよいハーモニカらしく、とてもよくなります。組み立てて作業終了。

2008年12月5日(金)

270 Deluxe

S. K. さんの愛器。やはり点検したところ、かなり鳴りはよいので若干の上げ身調整でよく、あとは全音調律を施しました。A=443よりも高めで調律されていたように思われましたが、気温の差とかが影響するのかもしれません。

2008年12月5日(金)

Super 64

S. K.さんの愛器。購入以来、状態を見たことがなかったので預かって調べてみました。吹き音側の上げ身調整がかなり必要で、また練習熱心なだけあって、かなり調律が必要なリードがありました。よく鳴るようになったので再組立てで完了。

2008年12月5日(金)

280

K. S.さんの依頼。10数年前に買われたとのことでオーバーホール希望。

まず、スライドが動きません。いつか落っことしてしまったのでしょう、スライド・ボタンの近くがゆがんでいます。こんな場合、スライド・レバーを土台に乗せて金槌で叩いて強制する方法が有効です。組み立て直すと、スムーズに動くようになりました。

リード・プレートを分解したところ、部分的に錆が進行しています。粉になっていますが、内部にまで進行はしないようなので、粉を削り取る程度としました。そうしないと再組立てしたときに、気密性が保てないかもしれないからです。

あとは上げ身調整と部分的な調律を行い、何枚かのバルブを取り換えました。症状としてあちこちのリードがビリ付くと書いてありましたが、この季節、温めないで吹くと起きる結露の影響かと思われます。出来上がった時点ではハーモニカが暖まっているので、症状は出ませんでした。

2008年12月2日(火)

Super 64X 2本

M. O.さんの依頼。本番中に6番F#音が2本ともおかしくなったとのこと。

最初のは試し吹きしたとたんにリードが折れた感触。リード交換して、若干上げ身調整も。リードの根元が弱っていました。

2番目のは、F#音は正常で、むしろF音がおかしい。周りの音が変だと、正常な音が変に思われる現象が出るらしい。ちょっとの狂いだったので、鑢で削っただけにしました。他にもあまり使わない低音部や高音部で変なリードを見つけたので追加調律しました。

2008年12月1日(月)

Velvet Voice

6番E音の出が悪いとのこと。吹いてみると、音程が下がって気持ち悪いです。

分解して調べたところ、リード自体はいつものようにすぐ折れる状態ではないのですが、リードを留めているリベットがそこだけ赤錆びが浮いています。取り付け具合が甘いのかもしれません。

それでは、とリード交換し、試し吹きすると、あちこち音が出にくい場所があります。Velvet Voiceは鳴りがいいハーモニカだと思いますが、それでもこうなのかと思いつつ上げ身調整して作業を終えました。

2008年11月19日(日)

Super 64

T. K.さんの依頼。

4番C音のリード交換。リード交換後、他にもいくつかの部分調律を施し、6番E音の上げ身調整をして終了。

2008年11月19日(水)

Mellow Tone

T. K.さんの依頼。

4番B#音のリード交換。以前修理したハーモニカで、その痕跡が懐かしい。

他にもいくつか調律が必要なリードがあり、リード交換後、部分調律を施しました。

2008年11月16日(日)

アマデウス

M. O.さんの依頼。6番E音のリードが折れてしまったとのこと。高価なハーモニカなので、これまで修理するチャンスはありませんが、基本的な構造はほぼ同様です。

分解し、折れたリードを取り除き、新しいリードをリベットで留めて調律し、他のいくつかのリードを調律して、組み立てて作業終了です。

2008年11月14日(金)

上げ身調整について

新品のハーモニカでも、えてして上げ身不足に感じられます。クラシック系の奏者は音色を変化させる必要性が少ないので、まあ、それでも使えるのかなと思いますが、ジャズ、ポピュラー系の奏者で、音をフェイクさせる吹き方をする場合には、工場出荷時の上げ身ではほとんど吹き詰まり、吸い詰まりが起きてしまい、音量も上げられません。

そこで上げ身調整を行うわけなんですが、結果として硬く感じられたハーモニカの吹き心地が軟らかい吹き心地となり、フェイク奏法も自在となります。

上げ身は奏者の好みで付けるという意見もあると思います。ただ、ちょうどいい上げ身の程度の幅はかなり狭い範囲にあり、その中では万人に満足いくのではないかと考えております。工場出荷時にそこまでちゃんと調整しておいてくれると、もっと気持ちよく吹けるのになあという思いはずっと前から持っております。でも修理屋としてはそれでは商売あがったりかもですが。

2008年11月14日(金)

270 3本

C. S.さんの依頼で2703本の上げ身調整と調律に取り組みました。どれもまだ真新しい感じのものです。まだリード・プレートが付いている段階で吸い音の上げ身調整を行います。調律もしてからリード・プレートを外して吹き音の上げ身調節と調律を行います。

しかし何しろ1本で48枚のリードがあるわけですから。2本仕上げたところで精神的にも疲れてしまって、数時間別のことに従事。夕食後、気を取り直して3本目に取り掛かり、作業終了。

どれも吹きやすいハーモニカに変身しました。

2008年11月12日(水)

Velvet Voice

全体調整をという依頼です。ほとんど狂いがないのでほんのちょっと部分調律を施しましたが、レスポンスの点では改良の余地があるなと思い直し、上げ身調整に入りました。

結果的にはとてもレスポンスのよい吹きやすいハーモニカになりました。

2008年11月12日(水)

木製ボディの280

E. O. さんの依頼。古い中古品なので匂いがきつくて吹けないとのこと。

以前270に対して同様の依頼があったので、同様の対処をすることにしました。まずリード・プレートを外し、すべてのバルブをいったん取り除きます。再利用するのでこの作業は慎重に実施。ついで、発泡スチロールのトレイに液体洗剤を少し水で薄めて入れ、リード・プレート2枚を一晩漬けておきました。
  
翌朝見てみると、かなりの汚れが底に溜まっています。リード・プレートはかなり輝きを取り戻しています。取り出してぬるま湯で洗浄。バルブが外してあるので、手でこすることもできます。乾燥させて、バルブを貼り直し、部分調律した後にリード・プレートを木製ボディに取り付け、組み立て完了。

手間さえいとわなければ、このようにバルブを外して洗浄することはそれほど難しくない作業です。

2008年11月12日(水)

Larry Adler 12

E. O.さんの依頼。Bebop調律と上げ身調整、いくつかの音のビビり、部分調律を施しました。元々調子のよいハーモニカとのことですが、ちょっとの上げ身調整で吸い詰まり、吹き詰まりが解消します。

2008年11月9日(日)

CX 12 Jazz

E. O.さんの依頼の2本目。Bebopチューニングと上げ身調整です。こちらも同様の作業に入ったのですが、前のハーモニカとの違いがありました。こちらは厚めのリード・プレートに取り換えてあったのです。作業が終わったと思ってリード・プレートをネジで強く取り付けたところ、鳴らないリードがいくつか出てきたのです。取り付けなければ音が出たのに。

原因を考えた結果、ネジを強く締めるとリード・プレートが少し湾曲してしまうのだろうということです。すると、厚めのリード・プレートなのでリードが振動するときに薄いリード・プレートより長く壁の間を動くことになりますが、この湾曲のおかげで周りの壁に触れてしまうのだろうということです。ほどほどの締め付けで試しているうちに本人が見えたので、そのことなどを話題にしながら調整を続けました。結果は、ほどほどの締め付けが有効であるということでした。本人にも満足してもらえました。

2008年11月9日(日)

CX 12 Jazz

E. O.さんの依頼。Bebopチューニングと上げ身調整です。Bebopチューニングでは4枚のリードをそれぞれ1音ずつ下げる必要があるので、かなりリードの根元を削ります。時間がかかりますが、根気さえあれば何とかなります。その後、上げ身調整に入りました。眺めただけで調整が必要なリードはわかります。そのほかにいくつか音程が狂っているリードがあったので、調律して作業終了。本人が受け取りに見えたので、試してもらったところ、調子がいいので、あと1番の上げ身を追加で調整して、作業終了。

2008年11月9日(日)

Super 64X

3番G音が突然プッと金属が折れたような音がして、鳴らなくなったとのこと。リード交換を念頭に分解してみたところ、小さなゴミがリードに挟まっていました。やれやれ一安心。結構上げ身の少ないハーモニカだったので、調整しました。今日の「みんなの街ハーモニカ・コンサート」で使うというので、間に合ってよかったです。

2008年10月30日(木)

Mellow Tone

T. K.さんの依頼。
11番A音の音程がおかしいとのこと。リード交換で対処しました。他にいくつかの部分調律を施しました。

他にスライド操作に引っ掛かりを感じたので観察すると、製造段階でスライドの穴を打ち抜いたときのバリが少し飛び出ていました。鑢で削って平らにすると動きはスムーズになりました。

スライドを含めてマウスを組み立てようとすると、ボタン側のネジが空回りします。ネジを受ける木のボディがバカになってしまっているのですね。木工用ボンドを針で穴の中に塗りつけ、一日放置した後、ネジを締めると解決しました。

以上で修理完了。

2008年10月11日(土)

SCX 56

M. K. さんの依頼。

6番E音が変とのこと。吹いてみると、チリチリ音がします。最初、リードが壁に触れているのではないかと思い、分解してみたとkろ、そこのバルブが折れ曲がっている状態でした。この機種用のバルブの用意はしていないにで、折れ曲がり状態を直す作業に入り、なんとかまっすぐになったかなと思われるところで試し吹きすると、チリチリ音が解消していました。これだけのことで変な音がするようになるのだと、また少し学習しました。

2008年10月11日(土)

マウスピースの裏

修理業を営んでいると、色んなハーモニカを観察することができます。
Magic Gardenの修理中、ふと、マウスピースの裏側を観察しました。ちょっと違和感を感じたので、急いでSuper 64と比較してみました。
  
表の丸穴はどちらも同じです。裏の形状には違いがありました。
上がSuper 64、裏の経常は4角。
下がMagic Garden、裏の形状は長円。


  
その違いはどんな影響があるのかスライドを乗っけてみました。
Super 64では、スライドの四角い穴一杯に空気が通り抜けると思われますが、Magic Gardenではそうでもないようです。


  
スライドを動かし始めたときの状態。
Super 64では4角の形状が同じなので、細長い空間(隙間)が広がっていく感じです。Magic Gardenでは、半月上の形で空間(隙間)が広まっていく感じです。


  
半押しの状態。両者の隙間の形状がこれだけ違うのだから、音色に影響を及ぼさないはずがありません。Super 64では、しゃきっとした切れ味のよい音の変化が期待できそうです。Magic Gardenでは音の変化は少しぼやけるのではないでしょうか。実際、トリルをしてみると、Super 64の方がはっきりした音になります。

さて、この裏の形状はどうして違ってしまったのでしょう。マウスピースの穴は丸い方が加工しやすいのだと開発者から伺った事があります。確かに納得できます。ということは、Super 64の方が高度な加工を施しているといえましょう。

Magic Gardenと同じメーカーのChromatix 54が手元にあったのでこちらも観察してみると、金属とプラスチックで作られており、プラスチックは型に入れて成形されるので、4角の形状になっています。したがってChromatixシリーズではSuper 64と同じような切れのよい音が期待できます。

そうすると、気になるのは新型のFabulosです。持っていないのでなんとも言えないです。誰かお持ちの方、裏の穴の形状がどうなっているか、レポートしてもらえませんでしょうか。

2008年10月10日(金)

Magic Garden

最高音部の音が出にくいのとオーバーホールの依頼でした。最奥音部については、以前に同じ問題への対処つぃて、バルブが貼ってあるものです。この機種ではその部分の穴の構造が他の部分と同じなので、バルブを貼っても問題ないと判断したものです。

実際、吹いてみても特に音が出にくいわけではありません。やはり吹き方の問題で、必要以上に強く吹いていると推察されます。強く吹くとより強く風圧を感じて、ますます強く吹いてしまう悪循環に陥ってしまいます。

弱く吹いても音量は十分に出ているので、それ以上無理しない加減をマスターすべきなのです。

オーバーホールの方は、分解してきれいにし、いくつか部分調律を施しました。

2008年10月8日(水)

ひょっとして退化?

Super 64や280のマウスピースを分解したあと組み立てられなくなったという泣きつきが多発しておりますが、昨日、古めのSuper 64を修理していてハッと気づきました。
  
以前のものには、このようにネジの受け口となるナットが外に飛び出さないように、皮の断片が挟んでありました。最近のにはこれを見かけなくて、ナットが中でずれてしまうのがトラブルの原因なんです。再発防止にティッシュの詰め物をしているわけなんですが、本来は製造段階でこのような皮の断片が挟んであるべきなんです。

最近は手抜きしているのでしょうか。

2008年9月29日(月)

Super 64

S. K.さんの2本目。2本以上あると、修理に出している間も練習が途切れなくていいですね。

3番G音の音程が下がっています。鑢がけして一端良くなるのですが、また下がっていきます。リード自体はまだ大丈夫なのですが、取り付け部分が緩んでいるのかもしれません。こうなったらリード交換で対処する方がよさそうなので、実施した後、いくつかのリードに部分調律を施して作業終了。

2008年9月25日(木)

280

S. K.さんの依頼。

ネジ穴が馬鹿になったとのこと。

分解してみると、リード・プレートが釘留めの次、ネジ留めの前の、長い釘で留められたモデルでした。この手は簡単にリード・プレートを外すことができません。外すと再度の組み立てでうまくいかないのです。

ネジ穴が馬鹿になった原因は最近よくある現象と同じで、ナットの金属片が自由に移動してしまったからです。でも分解できないので、傾けてパンパンと振動でナットを元の位置に移動させた上で、ネジで留めてみました。対処はOKです。

ところが組み立てるとスライドが全く動きません。観察すると、スライドに曲がりが生じているのでした。いつの日か、ハーモニカを床に落としたことがあったのでしょう。対処には、スライド・ボタンが邪魔で曲げを直すことができません。ついには、ボタンを一端取り去って、スライドを平らな物に乗せて、金槌で数回打ち付けました。なんとかまっすぐになったので、ボタンを接着剤で付け直し、多少鑢かけをしていよいよ組み立てです。OK。

他にバルブ欠損を補ったり、部分調律したりして作業を終了しました

2008年9月24日(水)

Super 64X

S. K.さんの依頼。

全音調律ということで、なんだかんだ64枚のリードすべてに鑢を入れました。

2008年9月24日(水)

Super 64

S. K.さんの依頼。9番D音のリードを折ってしまったとのこと。いつものごとくリード交換をしようと思ったところ、ガーン、最近のSuper 64の高音部のリード幅が狭くなっているのですね。手持ちのストックでは幅広で取り付けられないのです。そういえば招き猫さんのBlogにその手の話がありましたっけね。これは、新しいリードのストックを仕入れておくしかないと思い、モリダイラに電話しようとしたら、秋分の日で休み。(T_T)

かくなる上はと既存のリードの幅を狭くする作業に入りました。鑢でゴリゴリ、カッターでバリ取り。小一時間でなんとか取り付けられる状態に持ち込み、交換は終えました。他に、部分調律を数ケ所。いや、疲れた。

2008年9月23日(火)

Super 64

K. S.さんの依頼。

ご自分で上げ身調整をして、上げすぎてしまったようです。上がりすぎの場合、爪で押し戻してやると、直るのですが、音程が下がってしまうので調律の技術も必須です。リード1本の上げ身再調整といくつかの部分調律を施しました。

2008年9月20日(土)

Super 64

Sさんからの依頼。

低音部でビリつくリードがあるとのこと。また低音部3番のG#音がおかしいとのこと。

ビリつきは、確かに確認してから分解に入ったのですが、分解したとたんに現象が消えてしまいました。原因は特定できませんでした。G#音については、リードが壁をこすっているために正しい音程が出ないと判明したので、微調整で直せました。購入して1年ほどですが、練習熱心なためかあちこち音程が狂っているので、上げ身調整と全体調律を施しました。

2008年9月9日(火)

270

Y. Y. さんの依頼。
10番のF音のリードが折れてしまったとのこと。
リードを交換して、いくつかの部分調律を施して終了。

2008年9月4日(木)

Hard Bopper

T. K. さんの依頼、2本目。

5番レの音程がおかしいとのこと。これも分解するとやはりリード・プレートの汚れが目立ちます。また、メンテナンスを繰り返して使用されたらしく、該当のリードにはリード交換された痕跡ありました。リードが穴壁に触っているような音がするので、リードの側面を削るのですが、中々よくなりません。バルブを取り去って、光にかざしてみても特に壁に触っている様子はありません。首をひねりながら、光にかざしたままリードを押してみると、穴の中に入り込んだところで接触が認められました。これです。リードを取り付けたときの振動面が垂直になっていなかったようです。

原因がわかれば対処は容易です。リードの片側に真鍮のヘラを少し押し込むようにしてリードをホンの少し回転させますと、壁への接触音が消えました。

前の1本同様、全音調律、上げ身調整を施して、ついでいリード・プレートを指でこすって磨きました。鍍金されている表面は部分的に鏡面のようになりましたが、新品というほどにはなりません。バルブを全部外して磨けばよくなるかもしれません。でも、腐食が内部まで進んでいるとそれ以上きれいにはなりませんでした。

組み立てて作業終了。

2008年9月4日(木)

Hard Bopper

T. K. さんの依頼。

6番ミの音程が悪いとのこと。分解してみると、長期間愛用されていたとみえて、リード・プレートがかなり汚れています。該当するリードもかなり汚れており、リード穴の中での自由な震動が妨げられているようです。

汚れを掃除する作業をして、ちゃんと鳴るようになったことを確認してから、全体調律を施しました。途中、いくつかのリードについては、上げ身調整も実施。

組み立てて作業終了。

2008年8月26日(火)

Super 64

H. F. さんの依頼。ビビって音が出ない部分があるとのこと。試してみてびっくりしました。3本ばかりのリードが本当にビビっています。初めての経験というわけでワクワクとリード・プレートを外して観察しました。ビビるリードは、ドライバーの先で突っついてもリードが中に入って行きません。何だろう。

ヘラでリードの周りの穴の壁をこすってみると、何か合成糊が固まったような膜がへばりついています。多分これが原因だということで、ヘラでこすって慎重に取り除いてみました。リードを弾いてみると、ビーンと響きます。通常通りです。そのほかの2枚のも同じ処置をして、調律に入りました。おっと、その前に上げ身がバラバラで吹き詰まり、吸い詰まりする部分が見られます。Super 64といえど、この現象は目立ちます。出荷検査の項目に入っていないんだろうなあとぼやきながら調整して、しかる後に全体的に調律。

はい、とてもよく鳴るハーモニカとなりました。

2008年8月26日(火)

Hering 5148

全音調律希望とのことです。かなり音程が狂ったリードがあったので、リード交換が必要かと思ったのですが、鑢かけで大丈夫そう。こういった場合、後で再び音程が狂うことが多いので、しばらく試し吹きを続けたのですが、安定しているようです。作業終了としました。

2008年8月10日(日)

Hering 5148

6番E音の音程がおかしいとのこと。

リードが折れた感じなので強く吹いてみると、どんどん音が下がります。

リード交換した後、他の音も調べると、いくつか狂いが見られました。部分調律を施して作業終了。

2008年8月10日(日)

Velvet Voice

1番C音がビビったような音がするとのこと。

リード・プレートを外してみると、2枚から構成されているバルブの上側のプラスチックが少しずれている感じでした。接着剤でしっかり貼り直して解決しました。

他に、いくつかの音程の狂いが見られましたので、部分調律を施しました。

2008年8月8日(金)

Hard Bopper

K. O.さんの依頼。

6番スライドイン川吸い音が自分でメンテしてもうまくいかないとのこと。見立てとしては、リード交換が必要と思ったのですが。

どうもリードも動きがおかしいので、リード・プレートは外してみると、リードの内側に付いているバルブの根元がかなり貼り付いていました。先端は動くので音は出るのですが、変な音になるのです。そのバルブを貼り替えて、後は上げ身調整や全体調律を施しました。

2008年8月6日(水)

270

M. Y.さんの依頼。

4番のB音に金属音がするのと11番がきれいに音が出ないとのこと。

カバーを取って観察すると、4番リードを自分でメンテした形跡がありません。ということは、工場出荷時の調律段階でバリが出たものと想像されました。

よく観察した上で、リードの先のちょっと出っ張ってると思われるところにカッターナイフで削りを入れること数度、ついに金属音は消えました。やはりちょっとだけ壁に当たっていたんですね。

11番はいろいろ調整してもあまり状態は変わりません。必要以上に強く吹いても音量が上がらないのは高音域の一般的な現象ですから、その点を指摘するに留めました。

かなり鳴りのよいハーモニカといえますが、ちょっと吸い詰まりする傾向があるので、全体的に微妙に上げ身調整を行いました。カバーを付けて試し吹き。OK.

以上で作業終了。

2008年8月3日(日)

バリトーノ

E. O.さんの依頼。
Bebopチューニングと上げ身調整。

これまでほとんど使っていなかったとのことで、新品の特殊チューニングです。それほど困難な作業ではなく、上げ身調整も行って作業終了。

2008年8月2日(土)

270 Deluxe

E. O.さんの依頼。
ご自分でBebopチューニングした際、4番C#音のリードが死んだとの判断。また10番E音が出なくなったとのこと。ほかバルブにビリつきなど。

死んだと思われたリードもゆがみや回転を微調節すると復活。新しいリードを削った場合は、折れる寸前のリードと違って、調節しやすいのです。

10番のリードは上げ身調整で復活。バルブもゆがみを調整しました。

2008年8月2日(土)

Hering 10穴

E. O.さんの依頼。
低音のざりざリ音、バルブのベタ音、A=443への全音調律、バルブチェック、上げ身調整と盛りだくさんです。

バルブを何枚か貼り替え、上げ身調整、部分調律を施して、現象はすべて消えました。

2008年8月2日(土)

260

E. O.さんからの依頼。
Bebopチューニング中に間違えて正常なリードを削ってしまい、戻そうとしたら削りすぎてリードが駄目になったとのこと。

9番C#音のリードをあてがってみたところ、リードの幅が違います。最近の機種では細いリードが使われているようです。

仕方ないのでリードの両側を削って幅を狭める作業を実施しました。慎重に作業を進め時間を費やしましたが、最終的には丁度収まる幅にすることができ、リード交換ができました。

他にバルブのビビる部分を交換したり、上げ身調整してとても柔らかい鳴りのハーモニカになりました。

2008年8月2日(土)

CX12 JAZZ

E. O.さんからの依頼。
ご自分で特殊チューニング(Bebopチューニング)中にリードが死んでしまったのと、まだ変更していないリードのチューニング、それからチューニング済みのリードで金属音がするとのこと。

この機種を手に取ったのは初めてでした。

まず、死んだと言われたリードを観察しましたが、ちょっと取り付け軸から回転しているだけのようでした。ヘラを使って位置を直し、鑢で調律すると、しっかり復活しました。

変更していないリードの音程を変更するのは造作もないこと。

金属音については、特殊超膣の際のバリが出てしまったのが原因です。バリ取りを実施して解決。

そのほか、特殊調律で上げ身がさがってしまったリードなどの上げ身調整を施し、A=443への全体調律を施して作業終了です。

2008年8月2日(土)

Super 64

某クロマチック・ハーモニカ教室からの依頼。

@2番ファ、ミがおかしい
Aレバーが重い
Bオーバーホール

Aから取りかかりました。多分マウスピースの分解掃除を一度もしていないものと思われます。分解すると、レバー、その土台の両方の端に錆が盛り上がっています。これでは動きが重くなるのも当然です。洗剤で洗った後、真鍮のヘラで錆をこすり落としました。材質が同じなので、傷付かなくていいです。組み立てたところ、当然ながらスムーズな動きが復活しました。

Bで全音調律と上げ身調整を行いました。よく鳴る柔らかい感じのハーモニカになりました。

Bですが、私が吹いても特に異常は感じられません。先日、柏教室の生徒さんとの会話を思い出しました。唇にすごく力が入っているというのです。試しにそうやってみると、低音は出ないわ、中音はひどい曲った音になるわ、散々な音がします。多分、同じようなことがおこっているのではないかと想像されました。そこで次の助言を添えて返すこtにしました。

「唇でハーモニカを挟もうとする力をかけているなら、それを止めてみてください。私たちはハーモニカを当てているだけで、力ではさんでいるわけではありません。」

吹き方が改良されるといいのですが。

2008年7月30日(水)

270

E. O.さんの270、オークションで入手した古いもの。カビ臭くて何とかしてほしいとの依頼。バルブを全部はずして洗浄してよいとの指示があったので、そのとおりやってみました。

リード・プレートを外してバルブを全部取り去り、こうしてしまえば洗剤に漬けておけるので、まず原液で全体をよく洗ってから、洗剤液に一晩漬けておきました。マウス・ピースもしかり。

その後、水洗いしてまた水に一晩漬けておき、乾かして新しいバルブを貼り、全音調律でA=443にし、かつ上げ身調整も行いました。その過程で12番のC音のリードがどんどん下がるので、諦めてリード交換をしました。

さて作業終了ということで、最後にカバーも洗剤で洗いながら観察すると、おお、HohnerのTrade Markの中に「ダビデの星(ユダヤの象徴)」が付いています。ということは、このハーモニカはヒットラー政権の前に作られたものということができます。70年ほど前のものなんですね。

よくぞ復活したものと改めて感心しました。

2008年7月27日(日)

Velvet Voice

K. T.さんが持参した2本目。最高音のC#音が出ないとのこと。

分解して上げ身など観察して、弾いてみたりした上で試しに吹いてみると、ちゃんと音が出ました。ひょっとしたらなんらかのゴミが付着していただけかもしれません。

こちらも上げ身が足りないところが散見されたので、上げ身調整、調律の後吹いてもらうと、こちらも吹きやすくなったとの喜びの声。反応がすぐもらえるのでうれしいです。よかった。

2008年7月27日(日)

Magic Garden

K. T.さん、住所が近いからと、持参してこられました。

ご自分で調律した9番D音が出にくくて金属音もするということでした。分解して観察すると、調律の過程で上げ身が下がってしまっています。これはすぐに直しましたが、金属音がするという現象があります。鑢がけしたときにバリが出ていると思われましたが、中々直りません。こうなれば、とばかりそのリードのバルブを剥がしてから光に当てて観察すると、リードが動いたときにかすかに光が漏れてこなくなる部分を見つけ、そのあたりのバリ取りをやってみると、おお、金属音が消えました。

Magic Gardenの常として上げ身の不足が見られたので、上げ身調整をやってみますかと聞いたところ、Yesと。横に居ると質問できるから便利ですね。

上げ身調整に入ったところ、かなりの上げ身を付けるのでびっくりしている様子。もちろん音色が変わらないギリギリの上げ身を付けているんです。鳴りは良くなりましたが、調整の副作用として音程が少し下がるので、全音調律をしてから、渡して吹いてもらいました。これまでよりパワーのある吹き方ができると満足の様子。よかった。

2008年7月17日(木)

Swan IHC 2007特製モデル

S. K.さんのもの、全体調律と12番のB音が音が出ないとのこと。

分解してB音を観察すると、ほんの少しリードがずれて壁に触れています。原因がわかれば対処できます。あと、全体調律をして作業終了。K. S. さんの3番のG音がかなり狂っているので、リードが折れたかと思いましたが、意外としっかりしている様子。次に狂ったら取り替えることにして、今回は鑢がけだけで調律しました。ちょっと悩ましいケースです。

2008年7月17日(木)

Velvet Voice

T. S.さんのもの、調律してもどんどん音程が下がるとのこと。リードが折れる直前の典型的なパターンです。

分解しようとして困りました。リード・プレートを留めるマウスピース側のネジが1本、ほとんどネジ山がつぶれています。下手すると、開けられなくなるので、慎重に細身のドライバーの先で溝を深くしていき、ようやくはずすことができました。ネジは真鍮なので、鉄のドライバーで溝が切れたのがよかった。

6番E音のリードが折れている様子。5番C音の音程がずれていて、少し削ったところ直りました。しかし、E音のリード交換した後で部分調律に入ったところ、C音がどんどん下がります。結局いC音のリードも交換することに。

全体的な調律をして作業終了ですが、このC音のように、一見直って見えることがありますが、慎重に対処しないと、返した後ですぐ狂ってしまうという現象になるので、これからもその点、さらに注意して行こうと思いました。

2008年7月9日(水)

270

Y. Y.さんのハーモニカ、9番のC音が狂っているとのこと。多分折れているとあたりをつけ、カバーをはずしてヘラでリードを弾いてみると、見事に亀裂が見えました。

分解してリードを交換し、周りの調律を試みましたが、ちょっと狂っている程度のいい状態でした。その分調律して、組み立てて、金属磨きでカバーやマウス・ピースを磨き、終了。

2008年7月6日(日)

Accorda

T. H.さんのコード・ハーモニカのオーバーホールを依頼されました。10年以上使っていて、バルブがかなりだめになっている様子。分解してみると、なるほどかなり緑青が浮いています。でも、全体的に悪いわけではなく、特定部分の状態がひどいのです。容易に想像がつくことですが、特定部分というのはCコードのまわりとAmコードのまわりのコード部分なのです。
  
通常のハーモニカ教室ではC調の曲とかAm調の曲を練習することが圧倒的に多いのですね。したがってそれらの調子の主要3和音の部分の状態が一番痛むわけです。

慎重に錆落としをしましたが、このとき活躍したのが真鍮のヘラ、修理セットの中に入っているものです。これだとリード・プレートの材料と同じなので、かなり錆をこすり落としてもリード・プレートに傷が付く恐れがありません。

きれいにした後で濡らした布でぬぐい、乾かしてから、新しいバルブを貼ります。再度組み立てて修理完了ですが、コード・ハーモニカの場合、木のボディにリード・プレートが釘留めになっており、その数が半端ではありません。多くの手間はそこでかかってしまいます。ふーっ、やれやれ。

2008年7月2日(水)

Super Chromonica 270 Deluxe

K. S. さんの3番のG音がかなり狂っているので、リードが折れたかと思いましたが、意外としっかりしている様子。次に狂ったら取り替えることにして、今回は鑢がけだけで調律しました。ちょっと悩ましいケースです。

2008年6月30日(月)

Super 64

長年使っていなかったので、オーバーホールを、かつその様子を見学したいというので、Kさんが見えました。

症状を聞くと、高音、低音が出にくいと。実際吹いてもらうと、咥え方に問題があり、高音はあまり頑張らないで吹く、最低音部は穏やかに吹くことを指導。ハーモニカというよりは、吹き方の問題でした。

しかる後に中音域を吹いてもらうと、ハーモニカの問題らしい症状があります。早速、カバーを外してもらい観察してもらうと、バルブが数枚交換の必要あり。外し方、交換の仕方を実地にやってもらいました。

次に上げ身の観察。ちょっとは乱れがあるのですが、本人は中々気付かないので、合宿の資料の残りがあったのでそこの写真に出ているのを参考にしてもらって、見つけたリードに対して調整方法を伝授しました。

最後に調律ですが、オクターブ奏法で1ヶ所見つけ、それをチューナーで判定してもらい、鑢で調律するやり方を見せました。組み立ててもらって、オーバーホールはお終い。

それより、初心者なので音出しそのものに問題があることが痛感されたので、下の部屋(教室)に移って、これまた合宿の資料の残りを使って複式呼吸、音階練習、速吹き練習の方法を実地体験してもらいました。合宿の延長ですな(笑)。でも、これで口吹きが直り、腹式呼吸で口の中の形を変えないで吹き吸いできるようになったので、いつも問題にされる低音部の発音も問題なくできています。飲み込みは早い。楽譜の読み方もまだできないようでしたので、合宿資料の「かあさんのうた」をつきっきりでAm調、Em調、Dm調で練習。レッスン終わり。あとは、本人の練習次第です。がんばりましょう。

2008年6月4日(水)

Super 64

K. S. さんの3番のG音がかなり狂っているので、リードが折れたかと思いましたが、意外としっかりしている様子。次に狂ったら取り替えることにして、今回は鑢がけだけで調律しました。ちょっと悩ましいケースです。

2008年6月4日(水)

Super 64

A. M. さんのもの。まだ新しいのに6番のE音がちょっと狂っている様子。調べるとその近辺がいくつか音程が下がっています。練習熱心の賜物でしょう。部分調律といくつか上げ身調整を行いました。

2008年5月29日(木)

Super 64

A. M.さんのもの。どうも吹きづらいとかでオーバーホールの依頼。確かにいくつかの音が吹き詰まります。全体的に上げ身調整し、部分的な調律を施して、完了。

2008年5月29日(木)

Velvet Voice

オーバーホール希望とか。かなり放置されていたものか、スライドの動きが悪いので、分解して水洗いしました。7番のG音のリードが折れる寸前のため、交換しました。ボディも内部がかなり汚れていたので、歯ブラシで水洗いしました。リード・プレートをよく見ると、C側は最近のとおなじメッキしたもの、C#側は真鍮のものでした。いつかC側のリード・プレートを交換したときがあったのでしょう。その他いくつかの部分調律と上げ身調整して完了。

2008年5月29日(木)

Velvet Voice

バルブがバリバリとなるとかで、確かに1枚が取れかかっていました。貼り直してOK。他にいくつかの調律をして完了。

2008年5月23日(金)

SCX-48、Super 64

某クロマチック教室から依頼された2本、共通の問題がありました。マウスピースを分解して掃除した後、元に戻せなくなったのです。

例の問題です。早速リード・プレートまで外して検証しました。
  
マウスピースを留めるネジは、このように金属製のナットで止められています。しかし、このナットが所定の位置からずれてしまうと、ネジを差し込んでも留めることができなくなってしまうんです。ナットの収容場所に遊びがあって、ナットがその中で動いてしまうんですね。


  
対処は簡単です。ハーモニカをうまく傾けるとナットが所定の位置に戻ってきますので、そこでネジを差し込めばいいのです。しかし、この現象が多発するのも困りもの。再発防止策が必要でしょう。このようにリード・プレートを外してしまってナットを所定の位置に戻した後、撤収・ペーパーを少しちぎって、ナットを収める隙間に押し込んでやります。これでナットは動かなくなりますから、あとは元通り組み立てればいいわけです。

メーカーも何か詰め物をしておいてくれればこんな問題は起きないのに、ブツブツブツ。

今のところ、Hohner、Suzuki、Swanの各プラスチック・ボディのモデルでこの問題が発生することを確認しています。Heringや木製ボディのモデルは木ネジ留めなので、この問題は発生しません。

2008年5月16日(金)

Mellow Tone

M. K.さんの依頼でリード交換とオーバーホール。最高音のC音が折れていました。交換した後、上げ身調整。吹き詰まりがなくなりました。次いで全体の調律。A=442がご希望でしたので、チューナーの設定をA=442に合わせて、一音一音全部調律しました。Hohnerからの出荷時の調律がA=443なので、全リードに手を入れました。さすがに疲れました。

2008年5月13日(火)

270

T. S.さんからオーバーホールの依頼。上げ身調整をして全体の調律をしていると、最高音のC音の音程がおかしい。削ると余計に下がっていく。リード交換をすることに。交換した後で付いていたリードを観察したところ、調律で削った痕から折れています。最高音のリードは薄いから、工場で調律したときに削りすぎたのだと思われます。

最高音で交換が難しいかなと思ったのですが、他のリードと同様の方法で問題ありませんでした。

2008年5月13日(火)

Velvet Voice

最高音のC音が出ないとの依頼。確かに出ませんが、分解して調べると小さなゴミがリードに挟まっています。取り除くとちゃんと発音しました。5番のC音が下がっているので、強く吹いてみると、みるみる音が下がります。折れていると判断しリード交換しました。取り外したリードをちょっと曲げてみると見事に折れました。全体的な調律をほどこして作業終了。

2008年5月4日(日)

Super 64X

H.K.さんのハーモニカが送られてきました。3番のG音の音程が下がっています。強く吹くとさらに下がりますので、リードが折れていると判断しました。

カバーを外して観察すると、このリードはすでに1度(または複数回)リード交換されたものでした。リードを外すのは通常どおりですが、外した後の、リベットの穴がかなり大きくなっています。手持ちのリベットを穴に通してみると、すいすい通過してしまいます。これではリードを留めれません。うーん。

こういう場合には、手持ちの小さな釘の中から丁度良いものを探します。釘の片方をペンチで取り除くと、先端が尖ったリベットが出来上がります。しかし、かなり太いのでそのまま使うと、リードの穴の部分が割れてしまう可能性があります(経験済み)。今回はリード側の穴を少し広げてから取り付けてみました。結果はGood!

取り付けただけではその上げ見と音程が不十分なので、上げ見調整の後に調律しました。他のリードも調べていくつか調律した上で組み立てて、作業終了としました。

2008年4月18日(金)

Hering 5148

音が出ない場所があるとのこと。分解して観察すると、上げ身がまったくありません。弾いてみても鈍い音がします。多分リードが折れていると判断しました。リードを外してから少し曲げてみると、やはりポキリと折れてしまいました。新しいリードを取り付け、調律し、他のリードも調べると、数か所の調律が必要でした。組み立てて作業終了。

Heringの場合、上げ身調整が必要なケースがほとんどありません。鳴りやすいとの評判にもつながっているようです。

2008年4月18日(金)

Hering Velvet Voice

スライドのカチャカチャ音を止める小さなパイプを補填してほしいとの依頼。部品の在庫を確かめると、3オクターブ用と4オクターブ用が別々に存在しています。3オクターブ用の方がちょっと短い。いずれにしろ純正部品があるのでありがたいです。ついでにマウス・ピースの部品を水洗いし、ちょっと狂いの来ているリードを調律し、組み立てて作業終了。

2008年4月15日(火)

Super 64

K.W.さんから、長年使っていなかったのでオーバーホールの依頼。

バルブが反りかえったりねじれたりしたものを8枚ほど貼り替え。ちょっと吹き詰まりするリード数枚の上げ身調整。いくつかの調律、これは練習していれば多少狂うという程度の軽いちょうりつでした。後はマウスピースの水洗い。

これから本格的な練習ということです。気持ちよく吹けることを期待しています。

2008年3月25日(火)

Swan 1248

M.K.さんのもの、マウスピースのネジが片側留らないとのこと。よくよく調べて行くと、ネジ山が切れてしまって平らになっています。これでは留まりませんね。

たまたま合うネジの余分がありましたので、交換して一件落着。ネジの頭が平らではなくちょっと盛り上がっていますが、バネの側で全く口には当たりません。演奏には支障がないはずです。

2008年3月25日(火)

Super 64

アンデパンダンの後の飲み会でM.K.さんが、マウスピースのネジが留らなくなったと言いますので、点検してみました。本番ではゴム・バンドで固定して演奏したそうです(笑)。

例のごとく、マウスピースのネジを受ける金具が内部でずれてしまっていました。直すには全部分解する必要があります。宴たけなわではございましたが、M.K.さんのメンテ道具で分解、金具を元に戻してティッシュ・ペーパーを詰めて固定し、再度組み立てました。見事に復活。もう再発もしないことでしょう。

2008年3月25日(火)

270 Deluxe

S.K.さんのもの、念のため点検してみると、何箇所か上げ身調整が必要なリードが見つかりました。新品といえども油断できません。

調整の結果、これも柔らかいハーモニカになりました。

2008年3月24日(月)

280

C.S.さんから上げ身調整の依頼。確かにあちこち吹きづまり感があります。なんか、固いハーモニカという感じがします。

上げ身調整の結果、どこを吹いても音が出るしベンドもしやすい、柔らかいハーモニカになりました。

2008年3月24日(月)

270

C.S.さんからリード2本交換依頼。2本もダメにするまで吹くのかと疑問でしたが、調べてみると、リードが折れ曲がっています。ご自分でメンテ中にちょっと引っかかったのではないかと思います。

リード交換し、上げ身を点検し、必要と思われるところは調節して完了しました

2008年3月23日(日)

Swan 1248

M.K.さんのもの、マウスピースのネジが片側留らないとのこと。よくよく調べて行くと、ネジ山が切れてしまって平らになっています。これでは留まりませんね。

たまたま合うネジの余分がありましたので、交換して一件落着。ネジの頭が平らではなくちょっと盛り上がっていますが、バネの側で全く口には当たりません。演奏には支障がないはずです。

2008年3月23日(日)

270 Deluxe

S.K.さんのもの、念のため点検してみると、何箇所か上げ身調整が必要なリードが見つかりました。新品といえども油断できません。

調整の結果、これも柔らかいハーモニカになりました。

2008年3月22日(土)

270

アンデパンダンの後の飲み会でM.K.さんが、マウスピースのネジが留らなくなったと言いますので、点検してみました。本番ではゴム・バンドで固定して演奏したそうです(笑)。

例のごとく、マウスピースのネジを受ける金具が内部でずれてしまっていました。直すには全部分解する必要があります。宴たけなわではございましたが、M.K.さんのメンテ道具で分解、金具を元に戻してティッシュ・ペーパーを詰めて固定し、再度組み立てました。見事に復活。もう再発もしないことでしょう。

2008年3月15日(土)

コード・ハーモニカ


先日落札したコード・ハーモニカの、バルブを貼り替える作業を実施中です。サブタ皮のバルブを取り去ってプラスチックのものに貼り替えるのですが、何しろバルブ枚数384枚(1穴16枚×12穴×2段)ありますから作業が大変なのです。また、手持ちのバルブの消費量がすごくて在庫を圧迫します。

どうやら外側の作業を終えて、リード・プレートを外し、内側に取り掛かろうというところです。

2008年3月3日(月)

Velvet Voice

バルブ2枚の交換が希望ということでした。確かに吹いているとバルブのペタペタ音が気になります。新品で貼り替えました。

しかし、どうも吸い詰まり感があります。上げ身調整を全体的に行ったところ、とてもフェイク(ベンド)がしやすいハーモニカになりました。グッド!

2008年3月2日(日)

古い木製ボディの280

木製ボディがきれいに割れました。でも、観察すると元々接着剤で貼り合わせてあった部分が経年変化ではがれただけのようです。ボンドで慎重に接着し、組み立て直して無事復活。よかった。
7番G音の音程が下がるとのことでしたが、強く吹くとさらに下がっていくので、リードが折れていると判断しました。

分解してみると、内側のリード全体が黒く変色しています。奏者によって口内のPHが違うのかもしれません。

リード交換した上で、いくつかのリードを調律して完了です。

2008年2月26日(火)

Magic Garden
いくつかの音が出にくいとのこと。試し吹きすると、いくつかどころではありません。かなり吹きづらい、吸いづらい感じです。全面的に上げ身調整に入り、それに伴い調律も実施しました。これはどうも製造段階での上げ身の基準自体が少なすぎるような気がします。折角コンセプトのよい設計がなされているのだから、もうちょい、最適な上げ身とはという研究をしていただきたいものです。

2008年2月26日(火)

Super 64

ハーモニック・オムニバスの練習場にて、Kさんが1番のC#の音が出にくいようで、格闘しています。ちょっと預かって調べ、といっても、内側のリードなので分解には時間がかかりました。

眺めてみると、該当するリードの上げ身が多すぎました。これでは息漏れ状態で音が出にくいわけです。爪でリードを押して上げ身を減らすとOK。

新品に近く分解したこともないとのことなので、多分、製造段階で問題があったのでしょう。このように新品だからと言って、全幅の信頼が置けないのがクロマチック・ハーモニカ。困ったものです。

2008年2月17日(日)

270

Y.K.さんの270、10年以上前に買ったものだそうですが、高音で出にくいものがあるとのこと。特に吹きづらいほどではありませんが、やけに空気漏れ感があります。マウスピースから覗いてみると、最近の270やとても古い270とは雰囲気が違います。

分解してみると、写真のような違いがありました。上は最近のボディ、下はY.K.さんのボディ。左の穴二つ(最高音部)の構造が違います。高音部の穴の構造は、バルブを貼らないで吹き吸いできるように穴の空間を狭くしてあるのですが、Y.K.さんのは広いままです。しかも最近のモデル同様にバルブを貼っていないのです。これはプラスチック・ボディの機種で経験があり、バルブを貼って対処していました。

そこで、今回もバルブを貼ったところ、空気漏れ感がなくなり、とてもよく鳴ります。

前に失敗経験がありますが、上のような穴の空間が狭いモデルでバルブを貼ると、ほとんど音が出なくなってしまいます。下のような機種の場合のみに対応できる方法であることにご注意願います。


(注)上のボディで左右にバネ用の穴が開いています。左利き用にスライドを逆向きに付けられるようにしてあるんですね。

2008年1月29日(火)

Velvet Voice

7番G音の音程が下がるとのことでしたが、強く吹くとさらに下がっていくので、リードが折れていると判断しました。

分解してみると、内側のリード全体が黒く変色しています。奏者によって口内のPHが違うのかもしれません。

リード交換した上で、いくつかのリードを調律して完了です。

2008年1月17日(木)

Meisterklass


西脇さんのワークショップで撮影したMeisterklassでしたがあのときのご縁で今日本人が修理に持って見えました。この1本ともう2本のMeisterklassの調子のよいパーツを組み合わせて、ベストの1本を作りたいという趣旨でした。ハーモニカ好きが集まれば、ハーモニカ談義が尽きませんでしたが、そうも言っておられないので、作業に取り掛かりました。調子のいいというリードプレートをチタン・ボディに取り付け、銀製カバーを取り付けて、はい、と試し吹きしてもらっている間に、残りのパーツでもう1本組み立て開始。ただ、観察していると上げ身調整が必要なリードが数本あるので、それらを調整し、調律もして組み立てて渡しますと、「お、これ鳴りますね。」っと気に入ってもらえました。で、「これを吹いてみると前のやつも調整してください。」と言うことになり、チタン・ボディのものを再度分解、上げ身調整と部分調律をしました。組み立て直して試し吹きしてもらうとこちらも満足とのこと。よかった。

最後の1本は、よく観察すると、マウスピースの取り付けネジが折れていたんですね。しかも折れて残っているネジの破片が取り除きにくい形で埋まっています。時間がなくなってきたので西脇さんの方から、チタン・ボディを作ったときにボディが1本余っているので、帰ってからそれを使いますとの申し入れがあり、それではとお言葉に甘えて、バラバラになったままの状態でお渡ししました。もっと時間があれば、最後のリードプレートの上げ身調整だけでもやりたかったところでしたが。ちょっと心残りでした。

このように上げ身調整するととてもよく鳴る様になりますので、お困りの方、ぜひ相談してくださいね。




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