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修繕日記のページ



依頼されたり、自前で故障したりして修繕した
ハーモニカの記録を残しておきましょう。
Sorry, Japanese only.



2007年



2007年12月14日(金)

Super 64X

M.O.さんの1番C音が出にくいとのこと。確かめると、最初はよくわかりませんでしたが、スカスカするらしい。で、分解したところ、上げ身が上げ過ぎになっていました。たぶん、出にくい部分のリードを善意で上げ身を付けてくれたと思われるのですが、普通に吹ける人にとっては困りものなのでした。同様のケースは3件目です。

他にちょっとした部分調律2か所を施して修理完了。

2007年12月12日(水)

Hering Baritono

折れたリードの交換依頼。ん、標準のリードでいいのかと悩んだものの、よく探したらBaritono用のリードのスペアも在庫していました。ならば、いつもと同じ。別の音程が下がったリードも含めて2枚を交換しました。

2007年12月10日(月)

Hering 5164

出ない音があるとの対応依頼。

う、確かに出ない、とても奇妙な現象です。頭をひねりながらとにかく分解したところ、バルブの先に折り目がついていました。よく観察すると、取り付けられているバルブがすべてリードを収めてある穴よりも長いのでした。したがって、バルブがリードプレートによって挟まれ、息が吹き込まれても動こうとしないのです。納得。

正しい原因がわかれば対応策は自明です。バルブの先を少し切り取ってやればいいのです。64枚のバルブ全部について対応し、音がなることは確かめました。

しかし、調律が相当狂っているようです。必要なリードを調律して、特にリードの傷みはないようなので組み立てて修理完了。

2007年12月10日(月)

ヤマハ1200

H.I.さんからサブタ皮のバルブが劣化して、クロマチックらしい音がしないと対応依頼。

サブタ皮のバルブをすべてHohner製のバルブに交換しまいたが、どうもクロマチックらしい音がしません。マウスピースを外して調べようとしたところ、木ネジがバカになってしまい、装着し直すことができません。ネジ穴に木工用ボンドを垂らして一日放置しました。本日、装着し直してみたところ、OK。

さて、元々のクロマチックらしい音がしないという件を調べたところ、スライドとその周りの隙間が大き目ではないかと思われました。マウスピースなしでの音出しでは立派な音がするので、原因はここにありそうです。

以前、Swan製で同様なことがあり、スライドの上に来る部品に鑢がけしたことを思い出し、今度もそれを試みました。鑢がけが進むにつれて、音がよくなっていきます。ついにクロマチックらしい音が出るようになりました。そこでいくつか上げ身調整と部分調律を行って、組み立て直して修理完了。

2007年10月31日(水)

Super 64

某クロマチック教室からのSuper 64 2本の修理。

1本目はスライドのボタンが外れてしまったもの。幸い、折れたり曲がったりした訳でなく、単にボタンが取れただけでしたので、2液混合式の接着剤で接着。

2本目は、2番のE音が出なくなったとのこと。確かに出にくいのですが、分解して調べたら現象が消えてしまいました。いくつかの調律と上げ身調整、それにマウスピースの掃除を行いました。

2007年10月25日(木)

Hering 5148

スライドが動かない状態で送られてきました。調べてみると、単にネジを締めすぎているのではなく、マウスピースがずれているのでした。うっかりマウスピースを組み立てるとこういうことが起きます。正しく組み立て直すとしっかり動きました。

各音をチェックしていると吹き音が3箇所鳴りません。内側のリードなのでリード・プレートを外して調べたところ、非常に小さな砂粒ほどの異物が挟まっていました。取り除いて、正常に鳴るようになりました。

その後、部分的な調律を施して修理完了です。

2007年10月14日(日)

ヤマハ1200

Mさんのハーモニカ、バルブの調子が悪いとのことですが、昔の機種なのか、バルブがサブタ皮でできております。皮製ですので、長年のうちに水分で変化して反り返ったり縮んだりしています。一枚二枚を交換すればよいという問題ではないので、全部Hohner製に取り替える方針で臨みました。その他に、ある音を吹くと隣の音がでるという問題があり、観察したところ、木製ボディが3片の部品を接着して作られていて、接着剤が経年変化で劣化して分離していることがわかりました。

これらの問題を修復してマウスピースを組み立てようとしたところ、ネジが留まりません。木製ボディのネジ山が崩れています。これは対処した経験があり、ボンドをネジ穴に垂らして固めてから、ネジで留めると修復できました。

以上の他、部分的にちょっとした調律をして修理は完成しました。

2007年10月2日(火)

Hering 6164

Kさんの6番E音の音が下がるとのこと。強く吹くとどんどん音が下がるので、リードが折れていると判断しました。

早速、リード交換。最近は手慣れてきたのでスムーズに交換できました。

その他、部分調律、リードのずれがあるものが散見されたので修正で修理完了。

2007年9月16日(日)

木製ボディの280

もんオケで使うメインの愛器を六門会のリハーサルで使ったところ、出ない音があり、調べてみたら内側のバルブが1枚なくなっていました。たまたま、同じようなSOY Beans用愛器を予備に持参していたので事なきを得ましたが、やはり予備は必要だと痛感しました。もんオケではそのままSOY Beans用で本番。

さて、修理の方は簡単で、釘留めになっているリード・プレートですが、何度も外しているので簡単に外れます。それでも空気漏れが起きないのが木製ボディのいいところです。バルブを1枚貼って再組み立て。楽に復活しました。今日のもんオケでは、これを使います。予備もあります。音色はプラスチック・ボディとは比べ物にならないくらい、いいですから。

2007年8月30日(木)

280

Sさんの280が、6番E音がおかしいというので預かり、ちょっと強く吹くとすぐリードが折れる感触がありました。

リード交換しましたが、在庫が少なくなってきているEのリード。また注文しておかないと。
他にいくつかちょっとした調律をして完了。

2007年8月30日(木)

Hering 5164 & COMBO#5164

N.T.さんのHering 5164の13番C音と、その交換用リードプレート Comboの11番G音のリード交換を依頼されました。13番Cは何度も調律した跡がありますが、結局リードが折れておりました。11番Gはリードが曲がった状態で、これもすぐ折れました。
両方とも、リードを外し、新しいリードを取り付けました。5164はパイプが無くなっているため、スライドのカチャカチャ音がひどく、手持ちのパイプを取り付けました。その他、両方の全音調律を行いました。

2007年7月29日(日)

コードハーモニカ SCH−48

Cコードが出なくなったというので送られてきました。当初Hohner製だと言われていたので、リード交換までならできるなと覚悟していましたが、SUZUKI製だったのでさてどうしようと困惑しました。SUZUKIのはリードがリベット留めでなく電気溶接されているのです。

カバーを外して調べたところ、特にCコードに異常はありません。電話で問い合わせたところ、演奏中に突然音がでなくなったのだとか。こういう場合に考えられる原因は、唾液の乾いた滓、または毛髪がリードの隙間に挟まってしまったこと。カバーを外している課程で、それが取れて問題は解決したのだと思われました。

どうせだから悪いところがあれば直しておいてよとの指示だったので、調律作業に入りました。ところどころ、一本の中に2列に並んでいるオクターブ違いの音で震えるところがあります。チューナーで調べて、悪い方を鑢で削って調律するという作業を続けました。大体、1コードについて1箇所、そのようなかすかな狂いが見られました。通常は修理の必要がない程度です。で、48コードありますから、50本程度のリードを調律したことになります。384本リードがあるわけですから、まあ、そんなに大変な作業でもなかったと言えます。

組み立てなおして修理完了。

2007年7月14日(土)

Super 64

S.I.さんのSuper 64、自分で調節できるようになったのでいろいろやっているうちに、限界にきたのかリードが2本おかしくなったとのこと。

確かに削りすぎなどで2本ダメになっておりましたので、リード交換を実施。その他には悪くなっていないようなので、まだまだ使えると思われます。

2007年7月2日(月)

Super 64

合宿中に相談を受けた1本、6番F音が下がるというので、その場で少し強く吸って見ると、見る見る音程が下がっていきます。これは折れていますねと預かってきました。
リード交換しましたが、組み立ててみると、吹き詰まるところが何箇所か。それで上げ身調整し、また他にも音程が狂っているものがあったので、部分調律して作業終了。

2007年5月29日(火)

501/64

5番のC音の音が出ません。上げ身調整も効かず、結局リードが折れていることが分かりましたのでリード交換。後は全音調律を実施。気持ちよく鳴るようになりました。

2007年5月29日(火)

Velvet Voice

ハーモニカを踏んづけたらしく、カバーがひしゃげています。スライド・レバーも曲がっています。叩いて直すよりは別の部品と交換した方がよさそうなので交換を実施。後、全音調律を実施。

2007年5月16日(水)

Velvet Voice

調整・調律依頼のあったNさんのVelvet Voice、音程の狂いの他にとても嫌なバルブ音がします。分解して観察してみますと、バルブがすべて丸まって湾曲しています。経年変化でプラスチックが反ってきたようです。調律後、全バルブの貼り替え作業を実施したところ、見事にきれいな音が復活しました。

2007年4月24日(火)

280

A.W.さんの280、7番のG音がおかしいと。相当な下がりようで、色々試してみると結局リードの根元に亀裂が入っていました。交換するしかありません。しかし、またしてもG音。1セットのリードにはそれぞれの音に3枚ずつリードが入っていますが、これでとうとうこのセットのG音のリードは欠品に。まあ、別のセットがあるからまだよいですが、特定のリードだけを購入した方がよさそうです。でも、ドイツのサイトで購入するにしても、モリダイラ楽器から購入するにしても面倒そう。しばらくそのままにしておきます。

修理自体はリード交換とバルブ交換、若干の調律で完了。

2007年4月9日(月)

280 ×3

Y.O.さんからの280が3本。

1.7番G音に狂い。リードが折れているわけではなさそうですので、鑢がけだけしましたがかなり削ったので、将来的には交換が必要になるかも知れません。他にも狂いがかなりありますので、結局全音調律しました。

2.3番のG音に狂い。3番リードは鑢がけでよくなったのですが、オクターブ奏法で調べるための7番のG音がやたらと不安定。削っても削ってもよくならないのでいろいろ調べたところ、リードの留が緩くてリベットの周りで簡単に回転します。これはもうリードを交換するしかありません。交換後、他にも狂いがかなりありますので、結局全音調律しました。

3.三つの音に狂いとの依頼ですが、他にも狂いがかなりありますので、結局全音調律しました。組み立てて吹いてみると、吹き詰まりがかなりあり、低音域、中音域で上げ身調整を
行いました。手順が逆で、上げ身調整してから全音調律すべきでした。今後の反省点です。

2007年4月7日(土)

Velvet Voice×2

H.N.さんのVelvet Voiceが2本。

音の狂いと音が出ない。

1.音の狂いは7番のG音が顕著で、多分折れる寸前だろうと思われたので強く吹くと、どんどん音が下がります。確定!リードが折れているのです。早速、リード交換。しかし、1本が折れるほど使い込んでいるということは、他も大分狂いが来ているので、結局全音調律することになりました。

2.音が出ない。これも7番のG音で、観察すると上げ見が全くない。リードに触ると、くにゃっと曲がる。何のことはない、これもリード交換が必要でした。で、やっぱり他の音にも狂いが来ているので、全音調律しました。

問題は、リードのストックです。このように同じリードばかりがダメになると、ストックがどんどんなくなっていきます。セットの中には5枚しか入っていないので、今回失敗もあり3本消費してしまいました。心細い限りです。

2007年2月23日(金)

Super 64X

T.H.さんの新品Super 64Xのマウスピースのねじが効かなくなったとのこと。この現象は前にも経験しているのでピンと来ました。ねじを留めるナットが中に入っているのですが、その空間が大きくて、ナットが自由に中で動いてしまうのです。で、留めるべきねじの頭がナットの穴に合わなくて空回りするのです。案の定、その現象でした。対症療法は可能ですが、この際、リードプレートまで全部外して、ナットを正しい位置にセットして、そこから動かないように隙間にティッシュ・ペーパーの切れ端を詰めてやりました。もう、2度とおきないでしょう。Super 64Xのボディは透明プラスチックなので、外から見てもティッシュが詰まっているのがわかります。それを示して納得してもらいました。

2007年2月16日(金) 曇

Hering’s 5148

吹き始めて吹き始めて数分で数分で音が出なくなるとの指摘ががあり、バルブの交換が必要と思われましたので、まず取り去ってみました。

バルブとリードプレートのの接触面が変色しているのがわかります。これは唾液の乾燥したもので、息で湿ると、糊として作用してしまいます。
これをきれいにしてから貼り替えをと思ったのですが、、別のことに思い当たりました。



Hering製の場合場合、外側のバルブの幅が広いのです。ということは、水分との接触面積もその分広くなるわけです。
で、対策として外側のバルブだけをHohner製に貼り替えてみました。
結果は良好です。内側の狭いバルブは、そのままでで大丈夫のようです。
今後はHering製の狭いバルブと貼り替える選択肢ももありそうです。

2007年2月11日(日) 曇

Magic Garden

K.S.さんのMagic Garden、低音のFが出ないという。私が吹けば音は出るので、吹き方の問題であろうとは思いましたが、念のため分解して上げ身を調べてみました。すると、低音から高音へかけて単調減少しなければならないのに、低音部はほとんど等間隔になっています。さてと思い、今度は強めに吹いてみました。案の定、いたるところで吹き詰まります。それで、全面的な上げ身調整と、それに伴う調律を行いました。

さて、別の問題があります。リード・プレートを外したときのスライドの動きがとても悪いのです。よく観察すると、マウスピースが若干凹型の湾曲しています。これは密着性をよくするためには必要な措置と思われます。しかし、リード・プレートを外すとその湾曲の圧力がモロにスライドに掛かってくるので、すごく動きが悪くなってしまうのです。リード・プレートを取り付けると、やはり改良されて動きやすくなりました。

しかしです。バネが弱すぎて、どちらかというとフニャフニャなのです。速い半音階練習をすると、レバーの戻りが遅くてちゃんと吹けません。

で、再度分解してバネを調べてみました。

Hohner社のものと較べてみました。上がMagic Garden、下が280のものです。明らかに角度が狭くて弱いバネになっています。Hohner並みに角度を広げて装着してみると、とてもいい感じの強さになりました。これが製造段階ですでに弱いのか、使っているうちに角度が狭くなってしまったのかは判断できません。それで、使っているとまた弱くなっていく可能性は否定できませんが、今回の修理としてはOKとしました。

2007年1月9日(火) 晴

Hering 601/64 Deluxe Chromatic

もう古いモデルになってしまっています。

中音域のD音が下がってきました。削っても直らないのでリードを外してみると、案の定、裏側に亀裂を起こす筋が見えます。このハーモニカはCDの録音に使ったものなのだけれど、録音中にダメにならなくてよかったとの思いがひしひし。

で、まあリードを交換して復活しました。やれやれ。

2007年1月3日(水) 曇

SWAN1456


音がスカスカする原因が判明しました。

スライドを挟む2枚のプレートは、スライドを挟むための必要にして十分な隙間が必要ですが、このハーモニカでは隙間が十分過ぎたのです。したがって息を吹き吸いしてもその隙間から隣の穴へ空気が逃げてしまうのでした。

原因がわかればなんとか対処はできます。2枚のプレートの上側のものは隙間を作るために折り曲げられていますが、曲げられて支えになっている部分を少し削ればいいわけです。やってみると息漏れがなくなって、ベンドもしやすくなりました。音色も悪くはありません。これなら音階練習には十分使えるし、演奏会でも使えそうです。金色なのでかっこいいですし、14穴なので、低音にも困りません。

よかった。




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