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修繕日記のページ



依頼されたり、自前で故障したりして修繕した
ハーモニカの記録を残しておきましょう。
Sorry, Japanese only.



2006年


2006年12月24日(日) 晴

Super 64
教室のS.K.さんのSuper 64の2番のE音が出ないという。確かに出ません。何かが挟まっている可能性をメールで示唆しておいたのですがわからないとのこと。

で、リードプレートを外してよくよく観察すると、髪の毛が1本E音のリードに挟まっています。「練習のときよく髪がハーモニカにかかるんです、髪をしばらなきゃいけないかしら。」

そうかもしれませんねえ。

2006年12月19日(火) 晴

280
もうとっくに廃棄してもいいような280を修理しながら使っています。ところが一昨日、中音EとG#がダメになって入るのが発覚。分解してみると、これまでの修理で削ってあって、先がかなり薄くぺらぺらの状態でした。これはリード交換するしかありません。

で、取り掛かりましたが、どうもリードを留めてあるリベットが昔のモデル(プラスチック・ボディで釘留めの時代)では今のモデルより太いようです。したがって、今のリベットは穴を楽に通過してしまって、リードを留める力がありません。

かくなる上はと1mmの真鍮の釘の先を切ってリベットとして使うことにしました。無事復活して音階練習に使いましたが、まだまだ使えそうです。

2006年12月18日(月) 晴

Super 64
ギターの方と練習をしているとき、高音のE音が気持ち悪く響くことに気が付きました。オクターブ奏法をしてみると、明らかに音程が下がっています。まずい、これは本番用のハーモニカのはずなのに。近くにあったSutan Harperモデルに持ち替えたところ、こちらはA=440の調律であるため、全部が気持ち悪く響きます。さらに、そばにあった古い270に持ち替えて吹きましたが、今度は最低音の1オクターブがないために時々休む羽目に。ますますまずい。正しいハーモニカがないわけでないのですが、近くにないということであせりました。本番でなくてよかった。

ギターの方から、なぜ音程が下がるのかとの質問。Good Question!
リードは真鍮で作られており、アコーディオンのようなスチールのリードでないために、柔らかくて金属疲労を起こしやすい。また、口で吹くために、アコーディオンのようにスチール製のリードを使うわけにはいかないのです。

どうやって修理するのか?リードの先を鑢で削ると先が軽くなるので振動数が上がり、音程が上がる。ただし、その削り具合は、まあ、経験が物を言うわけです。過去に(学生時代など)なんども失敗しているから今日がある。

修理そのものは5分で終わりましたが、他にも下がっている音があり、さらに手を入れました。定期的な手入れは欠かせません。

2006年12月6日(水) 晴

Super 64
教室に通ってくださるSさんのSuper 64、上げ身調節を自分でやったら、あちこちおかしくなってしまったとのこと。まあ、修理というのは何回も壊してみて、初めて身に付くものだと思います。

で、早速修理に取り掛かりました。中音のCの上げ身を調節して、音程も調律しましたが、かなり削ったおかげで音色まで変わってしまいます。また、低音のGは特に削りすぎでもないのに音程が下がります。直してもまた下がります。よく観察すると、リードの取り付け方が回りと同じではありません。どうも製造段階でリードの取り付けミスがあったのではないかと疑われます。ハーモニカを吹くとリードがすごい振動数で振動するわけですから、製造時の取り付けミスがある程度の時間が経つと露呈してくるものと思われます。

結局この2枚のリードは新品リードと取り替えました。組み立てて試奏すると、まだ吹き詰まるところが数箇所あります。組み立てる前に気が付けばよかったのですが。また分解して直してまた組み立てとちょっと能率の悪いことをしてしまいました。

それでも作業が終了して、後は渡すだけになりました。やれやれ。

2006年11月29日(水) 晴

Velvet Voice 48
修理依頼の項目の一つに、バルブのパタパタ音をなくして欲しいというのがありました。どんなクロマチックでもバルブが付いている以上はある程度のパタパタ音は仕方のないものです。これは難題だなと思いつつも取り組んでみました。

バルブのソリ具合が悪いのかなと思って分解して調べましたが、ほとんど新品と変わらないようです。貼り直しで対処できるかと思ったのですが、まず思惑が外れました。で、吹いてみると確かに私達が使っているものよりはパタパタ音が大きいです。困りました。さらに観察するうちに、写真のようなことに気付きました。


なんと、リードプレートの内側に貼られているものと外側に貼られているものでは幅が違うのです。内側では狭い場所に収める必要があるので幅が狭くなっています。ということは外側のものが幅が広すぎる! 広ければ重量も多いわけで、より大きなパタパタの開閉音がするのかも知れない。

うーん、Hohnerのものではどちらも同じ幅なのにHeringでは幅を変えてある。そうすれば部品数が多くなるわけだし、ひょっとしてパタパタ音が大きくなる原因ともなっているかもしれません。不思議な設計だ。

他にも透明なプラスチック板の弾性とか白いプラスチックの材質とかがHohnerのものとは違うわけで、パタパタ音に関係するのかもしれません。はっきりとしたことは言えないので、対処法としては、思い切ってHohnerのバルブに全部貼り替えることにしました。作業量はかなりありますが、少なくとも多くの人が使っているHohnerのものと同程度のパタパタ音に納まるだろうとの見込みです。

作業が終了して吹いてみると、Hohnerのクロマチックと同程度にはなりました(当然ですが)。で、一件落着としましたが、やはり外側のバルブの幅の広さというのが引っかかっております。

2006年11月26日(日) 晴

Super 64
練習中にS.I.さんの中音のC音が吹き詰まる様子。上げ身調整が必要のようです。次回までにと預かって調整しました。

確かに指摘した部分の上げ身が少なく、またその近辺も同様なので分解の上、調整しました。上げ身を調整すると、必ずといっていいほど、音程が下がりますので、調律作業も欠かせません。

さて、全体的にと調べてみると、最低音域の上げ身が少ないものがさらにいくつか見つかりました。これでは本番のときに絶対吹き詰まりを起こしてしまいます。それらを調整した上で、再組み立てしました。

このハーモニカが特に悪いというのではなく、平均的なものだとすれば、一般に出回っているものでも同様のことがあると思われます。今一度、全音域で音出しをしてみて、どこか吹きづらい、吸いづらいところがないかどうか、点検なさることをお勧めします。

2006年11月9日(木) 晴

280
某教室Sさんの280、バネが折れてしまったとのこと。プラス、オーバーホール。
バネ交換のために分解したところ、バルブが5枚破損しておりました。マウスピースからドライバを入れたのでしょうか。交換そのものは簡単です。バネ交換に入りました。折れた破片がまだ残っていました。現在のバネより一昔前のバネのようです。これが折れやすかったのかもしれません。

マウスピースは、吹かなくなってかなり経っているのでしょう、相当汚れていましたので、きれいにして最後は水洗い。

調律に入りました。2番のE#の音がかなり狂っています。他にも、多少狂っているところが数箇所ありましたので、鑢がけ。

組み立てて吹いてみると、吹き詰まるところが数箇所。内側のリードもあるのでまた分解して上げ身調整をしました。

組み立てて、最終的な微調整調律の後、修理完了としました。

2006年11月6日(月) 晴

Baritono
1番の吹き音がまったく音が出ません。分解して見ると、上げ身がまったくありません。周りのリードを観察すると、かなり上げ無がばらばらです。それらを調整した上で、全音調律。

その後、バルブが取れているものや、音を出すとビリつくものがあり、それらをHohner
社のバルブと交換して、組み立て直し。

スライドがカチャカチャ音をたてるので分解して見ると、、パイプがありません 。代替品で補い、マウスピースを組み立てて、修理は完了。

2006年11月5日(日) 晴

Velvet Voie, D key
4番の吸い音がまったく音が出ません。分解してみると、誰かがネジ 留めでリードを取り付け直してあります。ただ、その後のフォローがよくなく、上げ身がとても大きくなっています。これではリードが震えることなく空気が出入りしてしまいます。

上げ身調整とリードの傾きの微調整をやり、全音調律をやると、見事な状態に復帰しました。疲れる作業でした。

2006年11月5日(日) 晴

Magic Garden 2本
S.K.さんの2本が、スライドの動きが悪くなって、分解して水洗いしたけれど動かないという。

どれどれとマウスピースを分解しました。観察すると、確かに洗った形跡がありますが、あちこちに唾液のカスがまだこびりついています。真鍮のヘラでそれらを取り除いた後、マウスピースをさらに観察すると、金鍍金の下から錆が少し浮き出ています。恐らく、こちらの要因の方が大きそうです。スライドを斜めにして使えば、錆をこそげ落とすことが可能です。その処置の後で組み立てると、とてもスライドの動きがスムーズになりました。

もう1本も同様でした。

台湾大会の売店から買ってきたオイルをスライドの右端に裏表一滴ずつ垂らして様子を見てもらうことにしました。成分がわからないので口が当たる部分には使いたくありません。

さて、今回のキーワードは、マウスピース内側の錆でした。

2006年11月3日(金) 晴

Super 64
某ハーモニカ教室からの依頼で、オーバーホールして欲しいとのこと。特に高音部が出にくいのでとの注文。

まず、マウスピースの分解掃除をしてスライドの動きをスムーズにしました。

次に調律の必要性を探るため、オクターブ奏法を試みますが、極端に音が震えるところはありません。しかし、音程的に変な感じがします。カバーを外してチューナーで調べて見ると、G音が下がっています。低音、中音、高音を調べると、なんとどれも一様に下がっています。なるほど、これならオクターブ奏法で音が震えない訳です。全部まとめて下がっているのですから。

他にもチューナーで調べるといくつか下がっており、また、ある音は上がっていました。

さて、高音が出にくい件ですが、特に問題があるとは思えません。恐らく、高音をうまく出す口の形がまだできていないのではないかと推察されます。口が締まった状態で吹くと、高音部はうまく鳴ってくれません。「
オー」の口の形にして口内の空間を大きくとって吹く必要があります。

修理を終えましたが、気になるのはG音の狂いです。この一週間で3本も狂っているのを直しました。まさか製造段階で狂っているなんてことはないでしょうねえ。

2006年11月3日(金) 晴

Magic Garden
M.I.さんのスライドが動かなくなったとの修理依頼。分解してみると、バネが外れているのとパイプがなくなっています。多分、ご自分で分解してうまく組み立てられなかったものと思われます。

パイプは有り合わせのものを使い、バネもちゃんと穴に収めて組み立てました。

吹いて見ると音が出ないところ、吸い詰まるところが有ります。

カバーを外して点検し、ゴミの除去と上げ身調整を行いました。組み立て直すと非常によい状態になりました。新品以上に吹きやすいかもしれません。これが上げ身調整の醍醐味です。

カバー取り付けで気づいたのですが、このハーモニカのカバーの長さがリードプレートより少し短めでとても取り付けやすい点です。他のハーモニカでほとんど同じ長さのものが多いですが、ちょっとずれるとはみ出してしまい、ボルト、ナットを外し直さなければならなくなります。その点、このハーモニカの設計には拍手を贈りたいと思います。

2006年10月28日(土) 晴

Super 64
練習に見えたS.I.さんのSuper 64の3番のG音が狂っています。その場で応急処置をと思いましたが、内側のリードであるため、結局はリード・プレートを外して調律しました。チューナーを見てもらいながらの作業で、調律の効果がすぐ目で確かめられたので、いい経験になったと思います。

2006年10月23日(月) 雨

古い280
M.O.さんのコード・ハーモニカ。

内側のバルブが数枚剥がれてしまってちゃんとしたコード音が出ません。預かって修理することに。

分解すれば簡単なのですが、何しろ大きいので留めてある釘の数が多いです。慎重に作業を進め、マイナー・コード側の一本は修理を終え、メジャー側の一本を組み立てる寸前です。


後は順調に組み立て終わり、修理完了。


2006年10月21日(土) 晴

古い280
ハミングキャッツは「みんなの街」のコンサートに向けて練習中ですが。M.S.さんが使っているSuper 64Xの6番のF音がおかしい。E#音と較べるとわずかに下がっています。その場で応急処置。チューナーはありませんが、E#音と比較することで調律することができました。

2006年10月21日(土) 晴

古い280
もんオケで使っている古い木製ボディの280、演奏中どうも違和感があるので、調律しました。リード3本ぐらいが微妙に音程が下がっています。ついでにマウスピースの分解掃除。レバー操作もスムーズに戻りました。えば、スライド・レバーの在庫がない。仕入れておかなければ。

2006年10月21日(土) 晴

Super 64
K.K.さんから依頼されたもう1本のSuper 64に取り掛かりました。4番のバルブを折り曲げてしまったので交換して欲しいとのこと。カバーを外してみると、確かに折れ曲がっています。これは表に出ているところなので、簡単に交換できました。さて、狂った音はないかと吹いてみると、中音6番のE音がかすかに音程が低くなっています。結局、リード・プレートを外して内側のリードを削ることになりました。調律し、リード・プレート、カバーを付けて吹いてみると、音程的には完璧、吹き詰まるところもありません。しかし、スライド・レバーの戻りが思わしくなく、途中までしか戻りません。これは汚れが原因なのでマウスピースを分解して掃除し再度取り付けたところ、こんどはすべてがOK。

ただし、スライド・レバーのバネ穴がこすれてかなり大きく開いています。これはいずれはスライド・レバーそのものを交換しなければならなくなりそうです。そういえば、スライド・レバーの在庫がない。仕入れておかなければ。

2006年10月20日(金) 晴

Super 64
K.K.さんのあるSuper 64の5番のCが音程が下がっているので修理をと依頼され、先ずは分解した上でCの音程を鑢で調節して、他の音も調べました。なんだ、3番のGも下がっている、調律、他には、3番もBbも、・・・、と結構アチコチ狂っています。余程練習したらしい。よし、というので組み立てて全体に音を出してみると、あらら、音が詰まってしまうところが数箇所。またカバーを外して上げ見調整に入り、どの音も強く吹いても吸っても音詰まりしないようになりました。また組み立ててテストしてみると、どうもレバーの動きがぎこちない。今度はマウスピースを分解して点検しました。するとレバーが滑っていく場所があまりきれいではありません。ドライバーでこすってきれいにして組み立てました。今度は非常にスムースにレバーが動きます。

全体的にはとても吹きやすいSuper 64として仕上がりました。

このように、調律や掃除などを怠っていると、非常に吹きにくいハーモニカになっていることがあります。今一度、そういう観点で手持ちのハーモニカをチェックしてみましょう。

2006年10月14日(土) 晴

Hering Velvet Voice
出ない音があるとのことでした。
分解して調べると、その音のリードの回りに唾が固まったようなねっとりしたものが付着しています。慎重に取り除き、組み立て直すと立派に音が出ます。修理完了。

少なくとも分解して掃除できるようにした方がいいですよね。

2006年10月13日(金) 晴

Hering 6164
6番のEの音程が下がるとのこと。強く吹くとさらに下がる。これは、リードにヒビが入った状態の現象です。

修理に入り、リードを交換しました。調律して、再組み立てして、修理完了。

2006年9月24日(日) 晴

280
教室の生徒のS.I.さんの280の5番のCが狂ったので修理を依頼されました。分解したところ、ところどころ黒くサビが来ていて、よく練習していることが伺われます。狂った音は、リード交換が必要かなと思ったのですが鑢で削ると戻るようです。調律した後、吹いてみてもさらに音程が下がるという現象は見られません。一応の修理完了とし、様子を見てもらうことにしました。さらに音程が下がれば、リード交換が必要となります。

また、6番のEのバルブがよくへばりつくという問題があるとのことなので観察しました。バルブとリード・プレートの接触面に少し唾液の間奏したのがこびりついているようです。それをきれいにしただけで、バルブの交換までは必要ないと判断しました。

2006年7月29日(土) 雨

280
M.S.さんの280の修理依頼がありました。
最低音のCがシャリシャリ言う。最高音のFが鳴らない。
分解してみますと、Cのリードが少しゆがんで回りの壁にかすかに触れています。これは予想通りで、リベットを中心に、ほんのちょっと回転させてやれば直るはずです。実際、ちょっとリードに反りが有ったため、何度かやってみるうちに突然いい音が出るようになりました。
Fに取り掛かりました。上げ見がほとんどありません。上げ身を付けて見ましたが、連続して音を鳴らすとどんどん音が下がっていきます。これはリードが折れているときの特徴です。案の定、反対から曲げるとリードはすぐ折れ曲がりました。それならばリード交換しかありません。預かった後、久し振りのリード交換で時間がかかってしまいましたが、取り付けて、音程を確かめて、若干調律して再組み立てしました。はい、ちゃんと修理完了です。

2006年3月5日(日) 晴

Chromonika III
低音域で音が混ざるようになったため、分解して調べたところ木製ボディにヒビ割れができていました。重症ではないので、針先に木工用を付けて、隙間に充填するように塗り付けました。組み立てて修理終わり。


2006年2月15日(水) 晴のち雨

270
T.K.さんから音を直して欲しいとの要請。確かに現象は見られて音程が下がったり音が出にくいと感じました。分解して問題のリードをピンピンとはじき、どれくらい削ろうかとチューナーで測ってみました。ところが、全然狂っていない。どうも唾液がこびりついたかどうかして前記のような現象が出たらしい。
他にホンのちょっと音程が下がったリードがあったので調律しました。再組み立てして修理完了。




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