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修繕日記のページ



依頼されたり、自前で故障したりして修繕した
ハーモニカの記録を残しておきましょう。
Sorry, Japanese only.


2003年

2003年12月27日(土)晴
K.S.さんから修理依頼品が届いた。全音調律と上見の調整、A2の濁りの解消ということであった。
開いてみると白いプラスチック・ボディの280、カバーなどが狭く感じたので最新のは変わったのかなと思ってあらためて観察すると、ストレート配列。これは古い木製ボディの280をプラスチック・ボディに替えたカスタム・ハーモニカであった。本人にe-mailで問い合わせると、John Infandeの作だとのこと。納得。
さて、A2の濁りだが、現象は確認してカバーを外したところ、途端に現象がなくなってしまった。変だと思いながら全音調律を開始。A=440の指定で、現在のA=443をA=440にするのであれば大変だったのだが、古いのは元々A=440なので、狂いを直すだけで済む。経験済みであるが、最低音部は低くなっているのでオクターブ奏法に耐えられるようかなり上げる必要があった。
途中で例のA2を触っていると、バルブが中心線からずれてちょっと押すと中に入り込んでしまう。これが濁りの原因で、カバーを外しただけで現象が消えたのも説明できる。バルブを貼り直し、他にも同様のがないか探すと2箇所見つかった。すべて貼り直してOK.
調律が終わったので組み立て直し吹いてみるとオクターブ奏法でかすかにビブラートがかかる。微調整するが、ちょっと吹き方を変えるだけで音程が変わるので、中々大変。自分のだと、ある程度で妥協してしまうのだが、頼まれものなのでかなりの時間を費やした。
今度は強く吹いてみると、吹きづまるところが数箇所ある。上見を眺めると、ホンの少し足りないようだ。ホンのこころもち上げてやると確かによくなる。上げすぎると音色も変わるのでその最良値を追求しなければならない。また、上見を変えると音程も変わることが多いので、さらに微調整。ようやく終わるとHerbsの練習にでかける時間だった。
今年のトリオの練習納めになった。だんだんスウィングに乗れるようになってきたので楽しい練習であった。
12月29日(月)
発送前の最終チェックを試みる。F3が少し低かったのでちょっと削った。高音部はホンのちょっとで音程が大きく変わるので確認のためにオクターブ奏法してみるとまったく震えない。これなら大丈夫ということで発送した。

2003年12月20日(月)晴
8月16日に取り上げたVermona社の修理を試みた。Cコードのリードが折れている。C音、G音をまず取り外し、Hohner製新品リードでサイズの合うものを探す。Super 64用のC2、G2がぴったりで、幅もぴったりだ。しかし、・・・・・・、折れているリードはなんとその1オクターブ下の音であった。ハンダ付けする手があると複音の人が言っていたのを思い出し、挑戦することにした。C2のリードをボルト、ナットで取り付けた上でリードにハンダを乗せようとするが、ハンダゴテの方にハンダが溜まって中々難しい。ようやくリードに乗っても穴からはみ出すので振動せず音が出ない。鑢がけしてなんとか振動するようにして調律開始。ハンダは削りやすいので後は順調。同様にG音も修復。
組み立てて音出しをしてみるとC音がおかしい。1オクターブ下のCがかなり低いので、再分解して鑢がけするとどんどん音が下がってしまう。さてはと思って調べると折れ目が付いていた。これも交換するが、C1のリードのサイズが微妙に合わない。長めのリードの先を削って取り付けた。ハンダを乗せるとこまでは同じだったがかなり乗せたにも関わらずC0の場所でG0の音がする。まわりのリードを観察すると根元が薄くて先が太くなっているタイプで、これはハンダの量の問題ではないと判断し、根元を削り始めた。5度下げなければならずどんどん削り、かなり削りこんだところでようやくC0の音に近くなってきた。微調整でC0に到達し、やれやれである。組み立てて音出しをしてみて満足のできる状態に戻った。
今回のは会社が違うのでリードの構造もかなり違っていたのだった。Vermona社のは長さは短いが根元が薄いので低い音が出るのであった。その分、多分耐久性に劣るのだろう。Cコードだけで3本もリード交換してしまった。ハンダを乗せる経験ができたことは大きな収穫であった。

2003年12月8日(月)晴
Chromonica II Deluxeの6番のE2のリードを折ってしまったのでHarp Online社から届いている新品リードを取り付けることにした。ところが270用E2のリードだと全然長さが合わない。試行錯誤でC3のリードが合うことがわかった。しかし、長さの違うリードがどうして同じ音程になるのだろうと悩み始め、よくリードを観察した。
すると新品リードの方が長いのだが、よく見ると根元側が厚くなっている。オリジナルのChromonica IIのリードは根元も先も大体同じ厚さなのだ。
なるほど、新しいSuper Chromonica(270)の方が長いリードを使っているのだが根元が厚く先が薄くなっている。これによって振動数はオリジナルのChromonica IIと同じになるのだった。つまり、新しいSuper Chromonicaの方が振動数が同じだが発音体がより大きいのでより大きな音が出せるということなのだ。
Silver ConcertやHard BopperはSuper Chromonicaより長いリードを使っていると聞いていたが、これも同じ理屈で、より大きな音を出すために長いリードが使われているのである。また、より呼吸が大変だと聞いたこともあるが、より大きい発音体を鳴らすのにはそれなりに呼吸も大きくしなければならないのであろう。
これで永年のリードの長さと音の振動数に関する疑問が氷解した。
さて、取り付けは簡単に成功したが、案の定E2の場所でC3の音がする。根元に鑢がけして音程を下げていったが、C3とE2はかなりの違いだ。でも、根元が厚いのでかなり削っても大丈夫で、特に音色が大きく変わることなくE2に調律できた。やれやれである。しかし収穫は大きかった。

2003年11月15日(土)曇
オークションで入手したCBH2016、まず汚いので全部分解して水洗いした。リード・プレートもバルブつきのまま歯ブラシで丁寧に洗った。もともと水分を受け止める機能があるので、それでも大丈夫だった。
A2が狂っていたので原因を追究した。どうも以前の持ち主がリードを取り替えた後、修理し切れなかったらしい。ビーンと音がしないのでリード・プレートを光にすかしたところ、リードが取り付け穴の片方に寄って、壁に接触していることがわかった。穴の範囲でリードを少し回転させたところ、しっかりビーンという音が鳴って一安心。なるほど、この手の問題は以前にもあったが、これで対処方法が判明した。全音調律する中で、他にもその状態のものがあり、鳴るには鳴るのだがベストの状態ではないのでこれも調整しておいた。
バルブの数枚が、どうもRomel仕様のものであるらしい。ソリが激しいので、Hohnerのものに取り替えておいた。

2003年11月8日(土)曇
Harp Online社から注文していた部品が到着。リードは3枚づつ入っていたので、それぞれ数部注文していたから、かなりの在庫量となった。さて、これで280用の木製ボディも入手したので、早速ボディがダメになっていたLarry Adler 16の修理を始めた。釘打ちでリード・プレートを取り付けるのだが、木が柔らかいので打撃を与えなくても圧力で釘が入っていく。リードの間隔とボディの穴の間隔が一部合わず、取り付け直しが必要になった。微妙なものだ。前の釘穴をボンドで埋めて改めて釘止めした。バネを止める穴が開いていないので、丸鑢で開けたが、思ったより楽にできた。リード・プレート2枚を止めているボルトの穴も開ける必要があったが、リード・プレートの取り付け方に少しズレが生じたため、少しだが斜めに開ける必要があり、なんとかボルト締めができた。最後にカバープレートを支持する爪を取り付けたが、力任せで一本だめにしてしまった。小さな傷を付けてから取り付けるとうまくいった。
さて、音出ししてみると、苦労した甲斐があって空気漏れがなく、かなり吹きやすいクロマチック・ハーモニカに仕上がった。結果、よし。

2003年11月3日(月)雨
J.Y.さんのSuper64XのE3のリードを交換。その他、上見調整、全音調律を実施。過去のリード交換の履歴がすごい。リード・プレートの交換がいつか必要になると思われる。

2003年10月26日(日)曇
掲示板で修理請負をアナウンスしたところ早速M.S.さんから修理依頼があり、教室で修理方法も習得したいとのこと。
オークションで入手した270のC4を修理するつもりで隣のB3を削ってしまったのでリード取替えが必要かもということであった。教室に持参してくれたので調べてみると、根元を削るだけで半音程度下がりそうだったので、早速削った。音質的には満足できるくらいになった。全音調律のかたわら、上見の調節も実演して見せた。修理しながらいろいろ業界の話が聞け、Jazz理論もでご披露していただいた。有意義な時間であった。

2003年10月24日(金)曇
どうにも部品が足りないので、Harp Online社から部品を購入することに挑戦。Webサイトは全面ドイツ語で、購入自体はカートに入れていくスタイルなので簡単であったが、支払い方法がよくわからない。えいやっと送信すると、e-mailで受け付けたとの返信がすぐあった。支払方法を英語で知らせてくれと打っておいたところ、英語で返事がきて、日本からの注文も初めてだが、修理部品の注文も初めてだったので大変驚いているとのこと。また、近い内にWebサイトの英語版を用意する予定であるとのこと。銀行振り込みになった。月曜に支払うことにした。
いよいよ、修理業を開店しよう。

2003年10月23日(木)曇
M.O.さんのSX-64のリードが直してもすぐ音が下がるというので送られてきた。28日の本番で使いたい最も気に入ったハーモニカだという。分解して7番のG音を調べると根元から折れている。取り外し、SUPER 64のリード・プレートから外したG#音のリードをボルト、ナットで取り付けた。G音のリードがないので苦肉の策であるが、大きさはマッチしている。出る音はG#より若干低いので、根元を削って調律した。
全体に調律が甘かったので、全音、オクターブ奏法に耐えられるよう調律した。
翌日郵送した。

2003年10月12日(日)曇
SUZUKIの改造版SCH-24(マイナーの部分を吸うと7thが出るようにしたものを試してみるが、息漏れが苦しい。CHORDET20、CHORDET10同様、バルブを貼ることにした。しかし、バルブの在庫が乏しい。同じサイズばかりたくさん使うので、特定のものが品不足になってしまうのだ。最後は大きなサイズのバルブを鋏で切って短くして使った。組み立て直して試すと、実に楽に演奏ができる。やはりバルブは必要なのだ。「バルブのトラブルから解放!」という謳い文句は問題である。
今回もバス音にはバルブを貼らなかった
しかし、バス音は邪魔である。ないほうがいいと思う。理想のハンディ・コード・ハーモニカについて考えてみたが、Accordaタイプでコードは5組(x4)、コード配置は改造版CHORDET20と同じ。別に改造版CHORDET10のようなオプションを用意するという表現でどうだろうか。発展形として6thやm7、sus4などのオプションもあるといいかもしれない。CHORDET10は安いから、実験してみようかな。

2003年10月11日(土)雨
THさんのSuper64Xのオーバーホールを実施した。新品を買ったというので古いのを預かってきたものだ。古いらしく、穴番号が印刷されていたのが完全に消えている。ボディ、リード・プレートが相当汚れている。分解してプラスチックのボディやカバー、スライド、マウスピースは水洗いして乾燥。買っておいたブラシ(ナイロン、真鍮、鉄の組で100円ショップにあったもの)が役に立った。リードプレートは濡れティッシュでぬぐってきれいにした。
スライドを眺めると、バネの穴が相当広がっている。真鍮の小釘を切って埋め、2液混合式の接着剤で固めて1日置いた。
翌日になり、全音調律に入る。だめになっているリードはなかったので、鑢がけだけでよかった。何枚かだめになっているバルブを交換し、組み立て直すと、完全に修理できている感じ。オクターブ奏法にもしっかり耐える調律になった。カバーにへこみがあったので、目立たない程度には戻したが、無傷状態というほどに滑らかなわけではない。

2003年10月6日(日)晴
先週に引き続きVictory CHORDET10の改造に取り組んだ。CHORDET10では

吹 Bb   F   C   G   D
吸 Gm  Dm  Am  Em  Bm

となっている。これを

吹 Bb+  F+  C+  G+  D+
吸 G-  D-  A-  E-  B-

とするのが自然であり、覚えやすい。また改造も容易である。
調律は簡単に済んだが、バルブを貼る作業で、バス音に貼ったのだがうまく鳴らない。吸音の内部空間が狭すぎて、バルブが中でうまく動いてくれない。何度やってもだめなので、思い切ってバス音にはバルブを付けないことにしたところ、その方がよく鳴る。とすると、CHORDET20のバス音のバルブも取った方がよさそうだ。これは次回に回そう。
CHORDET20とCHORDET10のサイズは同じなので、両方とも持って演奏することは問題なさそうだ。

後日、吸音のバス音のバルブだけ取り外した。

2003年10月5日(土)晴
William Krat社の10穴と12穴が届いたので、整備した。12穴のカバーは相当鉄錆が出ている。カバー同士をこすりあわせてなんとか目立たない程度にした。なんとボディには昆虫の巣が作られていた。水洗い、乾燥。リード・プレートのバルブはサブタ皮だったので、これは全部Hohner社のものと貼り替えた。貼る前にプレート自体を水洗いしたが、バルブがなければこんなことができると認識を新たにした。調律したが、何故かA=444と高いので、それに合わせて高めのクロマチックとして用意しておくことにした。
さて次に10穴の方に取りかかったが、こちらはバルブが貼っていない。あまり疑問に思わずに貼ってしまって試し吹きすると、なんと音程がKochと同じくブルース配列になっている。これは失敗とバルブを剥がし、組み立てて吹いた。Kochタイプは初めて吹くので興味深いが、普通の10 holesダイアトニックほどはベンドのかかりがよくない。普通のクロマチックの音でもない。中途半端な感じのものだということが認識できた。こちらのカバーはきれいなものだった。
両方共通して、リード・プレートを止める釘が短いアルミ製でちゃちな感じがした。反面、リードを止めるリベットはHohner社のものより美しい仕上がりになっている。

2003年9月28日(日)晴
懸案だったHuangのCHORDET20の下段の吸音を7thコードに変更する作業に取り組んだ。各コード4枚のうち2枚から3枚を鑢で削って音程を変更するのだが、実施し終わって他の削らないコードの音程を測ってみると、A=440より低い。一体どんなチューニングがされているんだと訝りながら、全リードをA=440に合わせた。合計4枚×5コード×2プレート×2段=80枚のリードを削ったことになり、ほぼ1日中をこの作業に費やしてしまった。途中、E+と書いてあるコードが実はB+になっており、こちらの調律作業にとっては好都合であった。VictoryのCHORDET20はどうかと思って調べたが、こちらはE+になっていた。
結果のコードの配列は

吹 Bb   F   C   G   D
吸 F7   C7  G7  D7  A7

吹 Gm  Dm  Am  Em  Bm
吸 D7   A7  E7   B7  F#7

となり、ハーモニカ教室で使うほとんどのコードは足りている。dimとaugがなくなってしまったが、3本目として用意する手もあるだろう。今後の作業としたい。

2003年9月27日(土)晴
以前Chromonica II Deluxeの5番のEbの上げ見を修正しようとしたところ、リードが駄目になってしまった。かなり長い間放置していたのだが、F. & R. Farrell Co.から修理道具一式とリード留め用ボルト、ナットが届いているので修理を試みることにした。まずだめになったリードの除去だが、William Romelの道具より使いやすく、簡単に除去できた。交換用のリードは、古い280のリード・プレートから外した。実はもう、かなり外してあって該当するものがないので、近くのサイズが合うもので間に合わせた。
説明書を見ると、バルブを貼る関係からリード・プレートの取り付け穴は広げてボルトの先が埋まるようにしろと書いてある。なるほどと納得。
ちょっとサイズが合わないようで、リード・プレート側を削ったりリードの穴を削ったりと調整した結果、立派にリードが取り付けられた。もともと280の、しかも違うリードを取り付けたので、1音以上高い。根元を削ってなんとか調律できて、鳴らしてみるとまったく正常な音がする。
すると6月13日に修理して鳴りの悪かった5番のC#の音が気になり始め、ものはついでとこちらも修理することにした。幸い、当時交換用リードを2枚買ってあったため予備が残っていた。こちらもすんなり交換できて、ちょっとの調律でOKになった。さて、組み立て直して吹いてみると、どちらもまったく問題なく、完全に復活した。
この道具とボルト、ナットは使いやすい。特にリベット打ちだとリードのセンタリングが一発勝負になってしまうが、ボルト、ナットだと何回でも調節できるところがよい。説明書だと、280の全リードを付け替えるだけの数が入っているとのことだが、それはさすがに膨大な時間がかかりそうなので遠慮しよう。リード・プレートとリードの組から始めるのだったらやりがいがあるのだが。

2003年9月2日(火)曇
夏休み第2弾取得中。オークションで落札した64 Chromonicaが届いた。アルミ・プレートのものなので相当古いものである。マウス・ピースとカバーに鍍金が剥げた部分があり、真鍮の色が見えている。加えると、真鍮の味がしてあまりよろしくない。レバーのボタンが少し曲がっていたのをまず直した。結構鳴りは良かったが、8番のC音が音程が下がっている。削ってみたが中々上がらず、さてはと思って強く吹くと、案の定どんどん下がっていく。よく観察すると、リードに折れ目が見える。これは交換するしかない。
リードを外し、パーツ取り用のプレートからよいリードを外した。取り付けには失敗が多いので、東急ハンズで購入した極小のボルト、ナットで取り付けを試みる。非常にスムース
に取り付けることができ、しっかり締めた後音程を調べると、半音の半分程低いので、これは鑢で削って直した。
バルブのいくつかが古いサブタ皮であったので、これらは取り替えた。
以上で組み立て直すと、とてもしっかりした音の280であることが判明。とても安く落札したので、駄目ならパーツ取り用にでもと考えていたのだが、ごく普通の練習用に使える出来映え。
全体的なチューニング作業が残っているが、これは問題なくできそうなので、本日の作業は終了とした。

2003年8月16日(土)雨
オークションで落札したVermona社製のコード・ハーモニカが届いたので吹いてみると鳴りが非常に悪い。よく見るとバルブがサブタ皮を使っている。相当古いものらしい。
これは大変だ、バルブを全部貼り替える必要があるが8枚×吹吸2×12コード×2段=384枚分の貼り替えになる。大仕事なので夏休み中にじっくり取り組むことにしよう。
その他の状態はかなりよいといってよく、整備が終わるのが楽しみである。
コードの並び方も、サイズもHohner社製と互換性があるので使いやすいと思われる。(7/1)
バルブの取替え作業中ですが、モリダイラ楽器から購入したバルブをあっという間に消費してしまうので、相当費用がかかりそう。全体を均一に消費するのではなくて、15番から18番までがよく使われるので、その他のものは大量に余っている状態である。
新しく購入したバルブはプラスチック部分が黄土色で、すこし丈夫になったようだ。その分接着剤のノリが悪くて、より慎重に作業する必要がある。
サブタ皮は全部はがすのですが、硬いものと軟らかいものがある。昔よく使われた分が水を吸って劣化して硬くなるらしい。使用後何十年も経っているので、劣化も当然ではある。(7/15)
ようやく全部のバルブを貼り替えた。一つずつ音出しを確かめてみると、Fコードの音の出が悪いようだ。もう一度分解してみたところ、1枚のリードがだめになっているのが判った。
このような今や非標準品のリードなんて手に入るわけもないので、しばらくその音が出せないようにして使ってみることにした。(8/16)

2003年8月1日(金)曇
オークションで入手したSILVER-BELLSクロマチック・ハーモニカの鳴りがよくないので、原因を追究した。まず、最低音のC#が出ない。これはリードが側壁に当たっている感じである。リード・プレートを外して見ると、木製ボディが少しそってしまうためにリードが側壁に当たることがわかった。釘の位置の調整ではどうにもならなかったので、側壁の方を鑢で削って、なんとか音が出るようになった。今度はC調の段の低音が息洩れがする感じで、音が弱い。どこから洩れるのか追求すると、ボディとその上のプラスチック板の間に隙間があるようだ。これはリード・プレートの取り付け位置が0.2mmほど上側になっているため、プラスチック板とボディの間に隙間ができるためらしい。釘止めであるが、かなり取り付け位置は動かせるようなので、なんとかボディとリード・プレートが平らになるように動かせた。組み立てたがまだ少し洩れる感じがし続ける。なお、追求が必要のようだ。リード・プレートを上側で止めるネジが付いていないのも影響していると思われるが、その改良はかなりきつい。
なお、このクロマチックでMIDI伴奏で演奏してみると、かなり気持ちが悪い。チューナーで測ってみると、A=437位だ。調整はしないで、低い音のLPの音取りように使うことにした。

2003年6月21日(土)晴
オークションで入手したBorrah Minevitch Professionalが届いた。サブタ皮がボロボロでまったく音が出ない状態。分解はChromonica II Deluxほど難しくはない。木製ボディが割れており、例によって木工用ボンドで接着。バルブをすべてHohnerのものに貼り替え、組み立てた。外付けバネは案外具合のいいものだが、ビニール・パイプがボルトについていないためカチャカチャ音がする。パイプを付けてみたが、その厚さでマウスピースの穴が小さくなってしまう。あきらめ。きれいな、いいクロマチックだ。音域がミからドであるが、これはドをダブらせていないからで、したがって高音部はちぐはぐ動きになる。
A調のクロマチックなので、そのつもりで頭を切り替えないと絶対音の階名が頭に浮かんでしまう。少々調律が必要だった。

2003年6月13日(金)曇
オークションで入手したChromonica II Deluxのリードが1本だめになっていたので、修理に入った。まず。モリダイラ楽器さんから270用のリードとリベットを入手するところから始まった。分解してみると、構造がとても複雑で、メンテナンス用に分解するだけでもかなりの手順がかかる。バラバラにした後は通常のリード交換技術で十分であったが、組み立てにも中々気を使った。また、古い製品だったので、リード・プレートがアルミ製、バルブがサブタ皮製だったので、バルブの方はすべて現在のものに貼り替えた。
スライド機構は複雑なので速い曲にはちょっと困る面があるが、スローの曲では十分使える。カバーの形状が普通の270と違う分、音色は変わるようだ。人前で吹くときは聴衆、仲間にちょっとした驚きを与えられる形状なので、本番で使うのが楽しみである。
交換したリードの音色にちょっと不満が残ったので、週末、また分解して調整するつもりです。

2003年6月9日(月)曇
オークションで入札した64 Chromonicaの何本目かが届いた。昨日、これまで修復したChromonika IIIの1本、ビニール・ケースのものががWさんに嫁入りした。気に入られたようで喜ばしい。さて、今回のは、箱にヒビが入っていたのでまず木工用ボンドで接着した。次に、レバー部分がほとんど動かないくらい汚れていたので、いつもどおりきれいにしてスライド・クリームを塗った。部品が随分そっていたが、組み立てれば問題ない。吹いてみるとパタパタするので、カバーを開いたら、バルブがサブタ側になっていた。内側のサブタ側に銀紙のようなものが巻かれていて、重みを付けて必要以上に開かないようにしてあるらしい。珍しいが、躊躇せず現在のバルブに取り替えることにした。全部取り替えたらかなり時間がかかって、深夜になってしまった。高音部は13番の穴だけ貼って、14、15、16は貼らないことにした。元々内部にひび割れがあったものか、釘は外す分解の過程で木部が2つに割れてしまった。今回は木工用ボンドで接着してある程度固まったところでリードプレートを取り付けることにした。完全に固まる前でまだ可塑性があるので、リードプレートに密着させることで元の形が再現できるので、釘穴がちゃんとフィットしてくれる。組み立て直して吹いてみると、一番下の音がビビる。バルブの形がゆがんでいるのが原因らしい。形を整えて貼り直すと、いい音が出るようになった。全体的にはとてもよい64 Chromonicaといえる。満足。

2003年5月4日(日)晴
オークションで入札した64 Chromonicaの3本目が昨日届いた。箱は古いがリード・プレートは真鍮なので、前のものよりは新しそう。約40年分の埃にまみれ、カバー(の裏)からマウスピースからの汚れがひどく、木部は2箇所われているわ、オマケにスライドのバネがなくなっているわで、かなり気落ちした。早速分解して割れた部分の接着と汚れの洗浄に取りかり、マウスピースの汚れは歯ブラシでかなりきれいにすることができた。リードプレートの洗浄は無理なので、埃を吹き飛ばすぐらいで我慢。高音部にもバルブを貼り付けた。ボディはかなり縮んだことにより割れたもので、そのままくっつけると湾曲してしまう。底辺以外は接着剤を盛り上げて空気漏れを防ぐことにした。バネの部分で割れ目ができていたけれど、木工用ボンドでOK。問題はバネ。現代のプラスチック・ボディと機構が違うのではめ込むのに苦労した。ストックしていた最後のバネを使ったが、長さが合わずちょん切る必要があった。よく観察すると、現在のものはマウスピースのすぐ下の部品が一番下のプレートとカチャとはまるようになっているが、このモデルはのっぺらぼーで、SUZUKIのみたい。SUZUKIはそうなっていないので不満なのだが、280も進化の過程でああいう機構になったものらしい。バネが短いのは、バネの強さが増すということで、手持ちの最後のバネは弱めのバネだったのだが、それでも丁度よい反発力が得られて、これは運がよかった。数時間経って、ボンドがかなり固まったとこで再組み立て、無事復活した。
もう一つのSuper Chromonicaの方は、レバーやその上下のプレートがやたら黄色いのでよく見ると、鍍金がはげたのではなくて最初から真鍮の地のままだったようだ。鍍金していないとレバーの貼り付きが頻繁になるのではないだろうか。これも時代とともに改良されたのだろう。驚いたのは、ウィンド・セーバー(バルブ)が皮になっていたことだ。年配の方々がバルブのことを「サブタ皮」と呼んでいる理由が納得できた。これも貼り付きやすいような気がして、内側だけ現在のバルブに変えた。戦前のものらしく、カバーの裏のマークの中に「ダビデの星」が書かれている。ユダヤのシンボルで、ヒットラー政権になってからは外されたものらしいので、その前の時代のものらしい。歴史がよくわかるなあ。分解後、木部の割れをボンドで接着し、半日おいて今日組み立てた。7番のG音が本の少し下がっていたので調律してOK.リード・プレートの状態はとてもいいので、よく鳴りそう。後日、調律のし直しと、表の「サブタ側」がやはり具合が良くなくビビるので、現在のものに貼り替えた。

2003年4月28日(月)晴
オークションで入札した64Chromonicaの2本目(より古いもの)が一昨日届いた。事前のE-mailの応対どおり、小さな割れ目が木製ボディにある。修理することにし、慎重にリード・プレート(アルミ製)をとりはずしたら木製ボディは完全に二つに分かれた。予想どおりである。木工用ボンドで接着し水平なテーブルに放置した。即日組み立て、息漏れなしに。高音部にもバルブを貼った。これ以外は非常に状態のよいハーモニカであり、音色もとてもよい。

2003年3月23日(日) 晴
オークションで入手した古いハーモニカ2台を2週間かけて修理した。
落札費用1000円+送料。リード・プレートがアルミとアルマイトなので、戦後数年後のものと思われる。Butterfly製は現在のヤマハの前身。アルミのカバーにOrchestra Seriesとある。出展者に由来を尋ねたが、骨董屋から頼まれたものなのでそれ以前は不明とのこと。
古楽器1:

リード・プレートがアルミニュウムのため腐食が激しく、打ち付けてあるネジ釘を1cm以上持ち上げるくらい酸化アルミのサビができていた。それらを削り取るとリード・プレートが深くえぐれてしまい、空気漏れがして音がまったく鳴らない。2液混合式の接着剤で盛り上げておいて、固まったら鑢で平らにする作業を2度にわたって実施。また、リード・プレートを外す過程でリードが1枚ぐらぐらになり、リベットで止める部分も取れてしまったので、リベットを外した後瞬間接着剤で止めたところ、幸いしっかり音が出るようになった。その後、全リードを調律。半音の半分位低かったので、全体的にA=440で調律した。組み立て直し、十分音が出ることを確認したが、音の配列が吹き吸い式で
C E G C E G C
D A B D F A B
という変則的なダイアトニック・ハーモニカであるため、これで曲を演奏するのは意欲が湧かない。箱などきれいに洗い直し、飾っておくだけにした。
古楽器2:

リード・プレートがアルマイトに進化しており、腐食にはやや強かったらしくそのままでも音が出る。リードが1枚ぐらぐらしていたのでリベットを叩いてなんとか固定した。調律に入ったが、全リードが半音程低かったので、鑢がけすると殆どペラペラになってしまった。今後のメンテナンスは不可かもしれない。音の配列は吹き吸い式で上段が#音の
F F# Ab Bb C Db Eb F F# Ab Bb C Db Eb F
E F G A B C D E F  G  A B C D E
クロマチックなのでなれれば曲を演奏できる。箱をきれいに荒い、たまにデモに使うことにして普段は飾っておくことにした。


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