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7回アジア太平洋ハーモニカ大会

 


関東ハーモニカリーグ2008年12月発行(第45号)に掲載された記事です。

工房クロム 真田正二

2008111日から3日間、第7回アジア太平洋ハーモニカ大会が中国の杭州市で開かれました。

今大会に関する情報が事前にあまり入ってこなかったせいもあり、日本からの参加者は30数人と少なく、特に若手の参加者は審査員を務める柳川優子さんを除いて皆無でした。

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一方、開催国中国からは場所が上海から近いということもあり、小中学生を含めて大挙して参加しており、大会の規模としてはこれまでで最大だったようです。他には香港、マレーシア、台湾、韓国、シンガポールから参加しておりました。

今回はコンテストへの参加は見送り、観光とオープン・ステージにでも出ようかという気楽な気持ちで参加しました。観光の方は、市に隣接する西湖を遊覧船で回ること、オプショナル・ツアーで紹興酒の産地である紹興の観光、それに中国茶の産地見学と堪能できました。また杭州市が日本からの直行便がある近代的な大都市であることを十分に認識いたしました。あいにく3日間の天候が思わしくなく、野外に設けられたオープン・ステージ会場は舞台、観客席共々雨にさらされて中止、おかげで私は今回一度もクロマチック・ハーモニカを口にすることはありませんでした。

大会の会場は、ホテルから歩いて5分ほどの立派な小学校(写真参照)と、開会式、閉会式、大合奏のコンテストが行われる劇場の2か所に設けられていました。小学校には立派なハーモニカ博物館が常設されていて、それが会場として採用された理由だったのかもしれません。小学校が会場というので驚いていたのですが、教室がたくさんあるので、それぞれ事前の練習場に充てられており、出場者にはとても便利ですし、セミナー会場、ハーモニカ展示即売場としても活用されていました。

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さて、会場をぐるりと見学して適当なコンテスト会場(講堂ですね)に入ってみました。すぐに目を引いたのは、ステージの脇に設けられた大きなスクリーンです。これが見事にIT化されていました(写真参照)。現在演奏中の出演者に加えてその残り時間がリアルタイムで表示されています。また、その下には次の出演者3名の名前が表示されており、大変わかりやすいのです。思い返せば厚木大会で、審査結果をExcel表で集計して、すごいすごいと言いあっていたものでしたが、ここまで進歩しているのですね。とすると、次回、いつか日本で開く機会があるとしたら、こういったIT化の準備もしなくてはいけないですね。予算は、要求仕様は、入力言語は中国語、日本語、韓国語、英語に対応しなくてはなどと余計な心配が頭をよぎりました。6年後、あるいはそれ以上後のことになります。古手は引き下がり、若手のスタッフに期待するしかありません。

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大会最後の日に大合奏のコンテストがありました。日本からは「ポラリス」が出場します。朝食後、4階のエレベータ付近を通るとホールで練習しているのが聞こえてきました。しばらく眺めていると、ホテルの係員が近づいてきまして、「実はここは一般のお客様も使われるので」と言ってきました。練習場を取り上げられるのかと身構えたところ、「それで、実はそこの扉を開けた宴会場の中に舞台を用意しましたので移っていただきたい」との申し出。これは素晴らしい。みんなでステージに乗って思う存分に練習できたようです。

劇場でのコンテスト、中国、韓国、ポラリスの順で演奏しましたが、朝練の成果もあって、ぶっちぎりの特別賞。2位、3位が該当するレベルに達しなかったため、1位ではなくて特別賞となったものです。表彰式で喜ぶみなさん(写真参照)、本当におめでとうございました。

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閉会式で、優勝者の模範演奏がありましたが、アジアの若手の成長、それを支える若手のハーモニカ人口はすごいものがあります。日本で若手が非常に少ないのが憂えてなりません。2年後の開催国となるシンガポールに大会旗が引き継がれ、シンガポール・チームの演奏で大会を終了しました。2年後にまた会いましょう(写真参照)。




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