直線上に配置

修繕日記のページ



依頼されたり、自前で故障したりして修繕した
ハーモニカの記録を残しておきましょう。
Sorry, Japanese only.


2001年

2001年10月29日(月) 晴
別のM.I.さんから280のバネが折れたとの修理依頼があった。前に本番演奏中、バネが折れてボタンを指でつまんで演奏を続けたことがあったことを思い出した。頻繁ではないが時々折れるようだ。全部分解し、バネを取り替えてスライドの汚れを落として再度組み立て、完成。スライドがカサカサ音を立てるので、バネ回りにスライド・クリームを塗ったところ、音は消えた。全面に塗る必要はないようだ。

2001年10月28日(日) 雨
M.I.さんから280の5番のレが狂った(下がった)ので修理して欲しいとの依頼があった。久しぶりの依頼だ。リードそのものは弾いてみるとピンと音がし、金属疲労しているわけではないようだ。取り替えるまでもないと思い、鑢で削り始めたが、リードがぐらぐらしているのに気付いた。先を横に押すとリベットを中心に回転してしまう。多分、これが原因だ。リード・プレートを外し、バルブをはがすと、リードを止めるリベットの止め方で少しずれて打った跡がある。製造時か、検査時かまたは購入後に誰かが触った可能性がある。リベットの中央から正しく打ち直しておいた。バルブを貼り、他に問題がないか探すと、1音吹き詰まるところがある。上げ見を調整した。また、バルブの貼り方がまずくてビリつくところが1箇所あり、バルブを貼り替えた。これで完璧だ。

2001年9月16日(日) 曇り
SUZUKIのSCX-64のバネの穴が大きくなってしまった。空気漏れの音がして気持ち悪いので、バネの穴に金属片を瞬間接着剤でくっつけた。音が改良されて気持ちが良い。まだ穴が小さかったので、金属片としては普通のクリップの先を切って使った。音階練習に使っていたので、穴とバネの擦られる頻度が高かったのだろう。バネ用の穴を鉄などの固い金属で被うようにするのは、メーカーなら簡単だろうに。ぜひ、やってもらいたいものだ。

2001年7月8日(日) 晴れ
7月6日にY.S.さんの祝賀パーティで金色4オクターブのクロマチックを吹こうと袋から取り出そうとしたところ、スライド・レバーのボタンがポロッと取れてしまった。以前、ボタンがレバーに当たるのでヤスリで整形したところ、接着部分が狭くなりすぎたのでチョットの刺激で取れてしまったのだ。その日はボタンなしのレバーを人差し指の爪で押しながらなんとか演奏はしのいだものの、高価なハーモニカだけにこのままにしてはおけない。修理に取りかかることにした。

なにしろ接着面積が狭いので固まりの遅い接着剤ではくっつけたボタンが安定しない。しかたがないので、一旦瞬間接着剤で固定させ、その回りに凝固時間10分の2液混合式の接着剤で固めた。気温が暑いので、2〜3分で固まり始めた.。固まった接着剤がマウスピースに当たるので、接着剤をヤスリで削るのだが、削り過ぎてまたボタンがポロッと落ちた。なにしろ接着面積が狭い。再度、同じことをやりつつ、今度はマウスピースとボディ側を削ることにした。

慎重にヤスリをかけ、固まった接着剤もあまり不細工にならないように削る。何度もマウスピースを付けたり外したりして、なんとか元通りの操作性が再現できるようになり、やれやれである。削ったマウスピースやボディも外から見る分にはそれとはわからない。息漏れもない。ただ、ボタンとレバーとの間に盛り上がった接着剤の固まりがあり、少々不細工ではある。

実用的には問題ないようで、一件落着。

2001年9月16日(日) 曇り
追伸
接着剤に問題があったようで、ふにゃふにゃになってボタンがポロリと落ちてしまった。今度は瞬間接着剤だけでくっつけ、金属片で補強した。金属片がボディにつかえてしまうので、またボディを削った。いまのところ大丈夫のようだが、いつかまたとれそうな気がする。

2001年5月21日(月) 晴れ
5月10日にS.Y.さんから預かった木製ボディの4オクターブクロマチック・ハーモニカの修理が終わり、郵送した。なんでも1950年代のクロマチックとかで、リード・プレートが分厚いアルミでできている。吹き口の穴はクロス配列ではなくストレート配列になっている。今となっては珍品だが、錆の具合なんか、まだ新品のように見える。私の修理の師匠であるDick Gardnerさんが手がけていたが、よる年波で受けれないのでこちらに依頼されたもの。

箱なし:木部割れ、チューニング数カ所、息漏れ防止
割れの部分は接着剤でくっつけた。リード・プレートと木部の間が少し開くので、釘を変えたりしたが、それでも密着しない。ピアスみたいな金具で密着させると、確かに音質は改良される。リード・プレートのソリの工夫で密着するようになるかもしれない。多少、ソリの調節はしたが。

箱あり:リード取り換え一本
狂ったリードは金属疲労を起こしていた。リードは取り換えたが、リベットが現在のものより長く、取りつける過程でリードが穴から少しずれた。リードの横を削って穴に収まっているが、音色が少し他の物と違ってしまった。再度の取り換えはリベットや穴を痛める可能性があるので、そこで止めにした。早いフレーズでは気にならないが、ロングトーンでは音色の違いが気になると思われる。C#の音は2箇所あるので、ロングトーンは隣の音を使うという演奏上の工夫が必要かもしれない。現在の私の修理技術の限界のようだ。

Cromonika III:木部割れ
それ以外、問題なし。接着剤でくっつけただけ。


トップ・ページ・アイコン
トップページへもどる

直線上に配置

©copy right 2001 Shoji Sanada, All rights reserved