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吹き吸い式ホルン・ハーモニカ

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未発表(2001/3/30記)

 今、ホルン・ハーモニカが注目されています。2000年12月に、シルキー・トーン、MEQ、ハーモニック・オムニバスでホルンを吹いている山崎さんがホルンの講習会を開いたところ、会場のスタジオ・ハープが満員となりました。しかも、その参加者の多くの人が第2弾はいつかと心待ちにしている状況です。
 筆者も数年前からアルト・ホルンを購入して、ハミングバードでたまに吹いたり、ピクニック・コンサートで吹いたり、ハーモニカ・アンデパンダンに出演したりと活用しています。
 ホルン・ハーモニカをご存知ない方のために一言付け加えておきますと、サイズが33cmぐらいの大型ハーモニカで、吸う音がなく全て吹くばっかりという楽器です。学校や大学のハーモニカ・バンドで合奏用に多く使われています。音域はソプラノとアルトとバスがあります。
 筆者が大学のバンドに所属していただけの知識ですが、使われ方としては流し用とマンボやスィングなんかのリズムセクション用に効果的な使われ方をしていました。たまに名手がいたときはソロ楽器として使われたこともありますが、吹くばっかりのため、あまりメロディを担当するには向いていません。
 大型であることは、リード自身も大きく、音が大きいとともに深い味わいのある音色を持っています。カバーがパイプであるために、特にハンドカバー奏法では人を魅了する素晴らしい音がします。
 ただ、惜しむらくは吹き音ばかりであるために、一般の人がメロディを吹こうと思っても中々言うことを聞いてくれません。名手となるためには、余程の熟練が必要な楽器といっていいでしょう。
 筆者は、この深みのある音で、普通のハーモニカ並に吹いたり吸ったりできたらどうなるのだろうかと前から考えていました。以前、ジョニー・ミュラーさんが来日したときの記念盤のLPのジャケットに出ていた写真では、かなり大きめのハーモニカが使われており、アルフレッド・ハウゼ楽団のタンゴで時々聞かれる深い味わいのハーモニカの音色はこの大き目のハーモニカから作り出されるのだとわかっていましたので、ホルンを改良すると、ミュラーさんのような音が出せるのではないかと思ったわけです。
 ホルンの販売元であるトンボ楽器に相談すると、現会長から、以前に作ってみたことがあるけれど、あまり良く鳴らなくてお蔵入りになってしまった、作られた物は誰かが持っていってしまって、現存していない、しかし面白いのでもう一回試作品を作ってみるというお答えをいただきました。しかし、吹き吸いにすると、あんなに穴の間が空いている必要はないので、もう少し小型のボディになる、また、ピアノの配列ではなくて、上段はC#の音階が全部揃っているものにしたほうがいいということでした。
それで、完成を待っているのですが、ついに待ち切れずに自分で作ってみることにしました。
 素材は新品のソプラノ・ホルンを使いました。カバーを外すと、リード・プレートがネジ止めになっているのでそれを外します。そして、レ、ファ、ラ、シとその#音のリードを全部取り外します。それらをリード・プレートの反対側に取りつければいいのですが、やってみるとリードを留めるリベットと取りつける穴の関係が対称ではなく少しずれているために、リードがボディにつっかえて全然音が出ません。はたと困ってしまいました。リードに穴を開ける道具はもっていないし、買ってきても随分時間がかかる気がします。
 そこでふと以前に佐藤昭さんが複音ハーモニカの修理で瞬間接着剤でくっつけたと聞いたのを思い出しました。早速試してみると、ちゃんと鳴るではありませんか。
 しかし、ハーモニカのリードって、取り付けが微妙なんですね。ほんの少しずれていても正しい音が出ません。メーカーではどうやって取りつけているんだろうと考えてしまいました。リベットで留めるときでも、かなり熟練が必要な気がします。鈴木製は溶接ですから、これも大変そうです。瞬間接着剤がまた扱いにくいもので、あっという間にくっついてしまうので、調整している暇がありません。幸い、リードの根元を押すとくっついたものでもすぐ剥がせることがわかりましたので、何度も何度もくっつけては剥がしを繰り返し、なんとか全部音が出るようになりました。
 勇んでカバーを付けてみると、低音領域で何とも情けない音がします。よく観察すると、吸う音はリードが外側に付くため、吹いたときに振動でカバーに触れてしまうのです。カバーは以前まん丸型でしたが現モデルでは楕円型なので、リード・プレートに近過ぎるのです。そうとわかれば、カバーを押しつぶして丸くすればよいのですが、ホルンのカバーは丈夫なのでこれがまた一仕事でした。
 それでも何とかなるもので、ついに完成です。吹いてみると、吹きばかりのときよりはずっとメロディが楽に吹けます。音色は元のままの深い音がします。穴の間の距離が大きいので、もう少し慣れる必要がありますが、これなら人前で十分にご披露できそうです。5月のジミコンかどこかの実験工房で発表しようと練習に熱が入るこの頃です。
 工数は2日間かけましたが、作業を連続すれば1日でできそうです。関心のある方がいらっしゃれば、ぜひお験しすることをお薦めします。

吹き吸い式試作品解説
未発表(2002/1/19記)

 トンボ楽器から、吹き吸い式試作品が完成したのでとの連絡をいただきながら多忙のため、4ヶ月が経過し、ようやく1週間前にお借りしました。
 音域はソプラノ・ホルンでは物足りない面があったので、トンボ・バイオリン・スケールとほぼ同じgからb3までの3オクターブ半という広音域にして頂きました。自作のものは既存ホルンをそのままつかったため、音を出す穴と穴の間隔が広く、ともすれば穴の空いていない中間に口がいってしまい音がとぎれてしまうことがあったのですが、この試作品は穴の間の間隔が3mmと狭く、ほとんどバイオリン・スケールと同じような感覚で吹けます。しかしバイオリン・スケールほど狭くはないので、演奏するときはその穴だけから空気が出入りし、隣の穴からの空気漏れがないので音色はあくまでホルンの音色がします。
 音域が広い割に全長は24cmで、普通のホルンの33cmよりはずっとコンパクトです。バイオリン・スケールの21cmよりちょっと長い程度ですね。これはドのダブりを無くしたので、下段の穴の数がバイオリン・スケール27個に対して24個しかないためです。ダブリがないためラのすぐ右隣がシとなり、吸い音が続くので演奏には注意が必要です。上段には、バイオリン・スケールやボタン式クロマチックと同じくC#の全音が出るようになっています。
 際立った特徴はそのボディで、アルミ合金が使われています。そのため、通常のホルンより重く600gあります。見た目の金属の輝きとこのずっしりした重さがほどよい高級感をかもし出しています。きっと大学バンドで活躍する楽器になるだろうなという予感があります。カバーはホルンと同じくパイプ構造になっています。ただし、ハンド・カバー奏法はなぜかパイプの両袖はあまり効かず、クロマチックのように両手でカップを作って開閉したほうがきれいな音になりました。
 さて、音色ですが、ボディの大きさが変わったのと材質がアルミ合金になったせいで、多少ホルンと違いますが、印象としてはよい方に変化したように思えます。隣の穴の息漏れがないのでベンドや独特の音作りが容易です。また音量についてはホルンと同程度で、ボタン式クロマチックとは比べようがないくらい大音量です。リードが大きくなるとこのように深みのある大きな音になるんですね。とても気に入りました。
 ただ現在痛切に思うのは、この音色と音量をもったボタン式クロマチックが作れないかということです。このリードがあれば作るのは難しくないはずです。なにも世界中にクロマチックのリードや楽器の大きさが同じである必要はないのではないか。大型のボタン式クロマチックがあってもいいのではないか。そんなものが市販されたら、きっと買う人は大勢いると思います。トンバ楽器さん、ぜひ検討して見て下さい。

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